333music.net

333music編集部がお届けする、音楽ブログ。ここでしか読めないインタビュー、最新音楽情報などオフィシャルな内容はもちろんのこと、取材秘話、ミュージシャン達のつぶやき…などレアな内容も可能な限り掲載します。 記事の内容は事務所やアーティストの承諾を得ています。 どうぞ文章や写真の転載、転用など著作権を侵害するような行為はご遠慮ください。 333music編集部とは、現在、音楽雑誌や音楽系HPで活躍中のクリエイター達がライフワークとして運営してる編集部です。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

333music PRESENTS 333music Mook
『Thank You For All』

絶賛発売中!!!!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


★掲載内容★
33300字に及ぶロング・インタビュー ×6人!!
縁の地、想い出の場所などでロケをした撮り下ろし写真、満載!!
ーー今までに封印されていた衝撃の真実が明かされる……
  読めば読むほど好きになる1冊です。


TYFA_VOL6_cover
☆『Thank You For All〜vol.006〜』【 先行予約受付期間:2012年12月9日 0:00〜
            2012年12月22日 23:59 】
終了
※通常通販あり。詳しくはコチラ!



tyfa5_cover_light『Thank You For All〜vol.005〜』
 2012年10月17日発売!!

 ★2012年10月1日 通販受け付け開始★
 詳しくはコチラをご覧ください!!

 Rei(DaizyStripper)
 村田 一弘(rice)
 ツブク(花少年バディーズ)
 MASATO(defspiral)
 KIBA(Gargoyle)
 宮脇"JOE"知史
               【掲載順】






TYFA4_cover_light
『Thank You For All〜vol.004〜』

 櫻井 有紀 (rice)
 総史 (少女-ロリヰタ-23区)
 広志 (花少年バディーズ)
 阿部 徹 a.k.a. SANTA (ex.Λucifer)
 KENTARO (Gargoyle)
 ISSAY (DER ZIBET)
               【掲載順】

 2012年7月24日発売
 A5サイズ/248ページ/1715円 【税込み:1800円】





TYFA3_cover

『Thank You For All〜vol.003〜』

 風弥(DaizyStripper)
 リョヲ丞(少女-ロリヰタ-23区)
 琢磨(花少年バディーズ)
 CUTT(ex. shame , ORCA)
 KISAKI(凛)
 Kiyoshi(MADBEAVERS)
               【掲載順】

 2012年4月29日発売
 A5サイズ/248ページ/1429円【税込み:1500円】






TYFA2_COVER_SOLDOUTSOLD OUT!!
『Thank You For All〜vol.002〜』

 TAKA(defspiral)
 龍兎(少女-ロリヰタ-23区)
 貘(花少年バディーズ)
 土屋 浩一(ex. HI LOCKATION MARKETS)
 緋村 剛(everset)
 HIROKI
               【掲載順】

 2012年1月27日発売
 A5サイズ/248ページ/1429円【税込み:1500円】






TYFA1-SoldOutSOLD OUT!!
『Thank You For All〜vol.001〜』

 人時
 tatsuo(everset)
 aki
 ミネムラ(花少年バディーズ)
 栄喜(DETROX)
 KAZUSHI(STRAYPIGVANGUARD)
               【掲載順】

 2011年10月23日発売
 A5サイズ/248ページ/1200円【税込み:1260円】







※通販、一部ライヴ物販にて販売。
※通販ご利用の際、送料+手数料として1冊あたり600円が必要です。
 (複数ご購入の場合、送料の加算はありません)
※在庫、バックナンバーご購入のお問い合わせはmook_333music☆yahoo.co.jp[ ☆を@に変えてください ]まで。
 (アーティストのレコード会社、事務所へのお問い合わせはご遠慮ください)


★【333music mook】YouTubeチャンネルオープン!★
『Thank You For All』掲載アーティスト・コメント公開中!!!
★PC → http://www.youtube.com/333musicTV/
★携帯 → http://m.youtube.com/333musicTV/

インタビュー

defspiralインタビュー【2nd Al『Voyage』,『hide TRIBUTE II-Visual SPIRITS-』】2/2

_defspiral_01_mainAphoto

_defsppiral_voyage








2nd Album『Voyage』
NOW ON SALE


※defspiralインタビュー【2nd Al『Voyage』,『hide TRIBUTE II-Visual SPIRITS-』】2/2
→前半戦はコチラ


M6「花とリビドー」
ーー80年代のニュー・ウエイヴ的な隙間遊びの曲、これもまた新しいかな、と。
RYO:いい曲ですねぇ、って自画自賛(笑)。これね、仮タイトルから「リビドー」だったんですよ。色気をテーマに曲を作ったところもあったんで、そういう歌詞を書いてほしいな、と。
TAKA:RYOから「リビドー」って言葉をもらって、今までに“リビドー”って言葉こそ、そんなに使ってなかったんですけど、性的衝動と生命のエネルギーとはイコールである、ということはずっと唄っていたりしたので、この曲の歌詞には枯れていく美しさ、儚さを込めたいなって思いましたね。もっといえば、最近の曲の歌詞のテーマや思想の芯の部分をこの歌に込めたっていうか。元々、何かの機会にRYOと話をすることがあったんですよ、その流れもあってリビドーって言葉が出てきたんじゃないか、と…。
RYO:そうそう、リハ帰りの車の中で、お互いの性癖を話してね(笑)。
ーーホントですか?(笑)
RYO:ま、そこはTAKAさんのイメージがありますからノーコメントで(笑)。
ーーで、そのリビドーに花をくっつけたタイトルになったことで、より一層、エロティックになってますよね。
RYO:そうそう! 僕もビックリした。おぉ! 花を付けてきたか!!と。
TAKA:エロス感は増しますよね。“リビドー”というのはロックのテーマの大きな1つだし、自分の中にもあるモチーフなんですけど、花を付けることでより映像も浮かぶし、意味合いとしてもよりエロティックになるな、と。ただ単に卑猥な曲っていうだけで終わってしまってもいいんですけど、その裏に哀愁や憂いをどう含ませるか? それをいかに滲み出させるか?ってことは最大のテーマでした。
RYO:僕が唄ってほしい方向の歌詞、想像以上の歌詞と歌でかなり嬉しかったですもん。こういう曲唄ってほしいなっていうイメージ通りというか、それを遙かに超えてきたっていう。単純にこういうタイプの曲もなかったですし。
MASAKI:グルーヴ的にネチッとしていますよね。でも、その揺れてる感じはRYOくんがベースで出してくれてるんで、ドラムは案外タイトにやってるっていう。
RYO:この曲で大切にしたのは間ですよね。ほら、大好きなハンバーグでも、ずっとハンバーグが続くと飽きるじゃないですか? たまには、ざる蕎麦を挟もうよっていう。
TAKA:つまり、こってりしたもんばっかじゃなく、あっさりした蕎麦がたまには食べたくなるっていう。
RYO:そうそう、それ。僕らは構築するのは好きだし、音を詰め込んだレンジの広い音楽になりがちなんですけど、ある意味、そういう曲って誤魔化せるところがあるんですね。それを解った上で、敢えて、誤魔化しの利かない隙間のある音楽を今の僕らがやったらどうなるのかな?っていう期待感もスゴくあって。まーでも、まさかAメロでギターがほとんど鳴ってない、という仕上がりになるとは思ってなかったけどな(笑)。
MASATO:いや、俺は構築する派だから、いつも、そういうギターばっかり弾いているので(笑)。RYOの持ってきた「花とリビドー」を聴いた時はおぉ!って思いましたね。
RYO:ギターは任せるよって言って渡したんですけど、さあ、どんなギターを入れて戻ってくるのかな?って思ったら、もう驚きの連続。
MASATO:元々、ギターが入っていたところに、ちゃんとギターは入れたりしてるけどな。
RYO:デモの段階で“極力、ギターは少なめで”って言葉では伝えてないものの、そういう曲なんですよっていう渡し方して、心の中では余計な物入れてくるなよって思っていたんですけど(笑)、返ってきたギター・ワークは僕の理想の上の上を行くもので。間奏のギター・ソロといわれるところでは、どう遊んでくるかな?と思ったら、ああいう感じで入れてきて(笑)。
ーーヨレヨレ〜な感じの。
TAKA:良い意味での阿婆擦れ感があってセクシーですよね。
MASATO:リハスタでTAKAに“どんな顔してこのギターを弾く?”みたいなこと言われて(笑)。どんな顔してって言われても…みたいな(笑)。
TAKA:今までのMASATOの中にないスタイルだから、ライヴではどうなるんだろう?と。ま、俺としては自分に酔ってもらいたいな、と思ってますけど(笑)。
RYO:もう、そこも含めて僕が理想とする形を越えましたね、「花とリビドー」は。

M7「BREAK THE SILENCE」
ーー以前にもインタビューさせていただいてますけど、ライヴで演奏をしてきた今、改めて伺ってみましょうか。
RYO:これはこれでTHE MASATOっていう曲なんですよね。小賢しいアレンジが散りばめられたハードロック・テイストの曲、これがまたライヴでチョー大変!(笑)
MASATO:キメの多い曲ですからね。
MASAKI:普通、ライヴってテンション上がってるから、速いテンポの曲でも演奏中、速い曲だと思わないんですよ。だけど、この曲は唯一、ライヴで演奏していて速いな、って思う(笑)。
MASATO:たたみかけてたたみかけて、次のアレンジ、次のアレンジって変わっていくから。
RYO:レコーディングした当初は、なんてヴォーカル殺しな曲なんだろう、とずっと思っていたんです。
TAKA:ホンマにそうやな。
RYO:だけど、ライヴでやってみて、これはMASATO、全員を殺しにかかっとんな!と(笑)。
MASATO:休む隙を与えない曲っていう(笑)。
TAKA:(笑)。あ、それと。「BREAK THE SILENCE」は録り直したりもしてます。
RYO:月日が経って、こうしたい、ああしたい、っていうのが出てきたので、ちょいちょい手直しして。
TAKA:…というミニ情報でした。

M8「LOTUS」
ーー「LOTUS」は今や、ライヴの最高の盛り上がり、山場のポジションにある曲になりましたね。
RYO:まさか、ライヴでこの位置に「LOTUS」がくるとは思わなかったですね、作った当時は。ああ、こういう解りやすい曲はシングルにいいかもね、くらいでしかなかったし。
TAKA:それまでストレートなハードロック・テイストの曲は多かったんですけど、1回、こういうダンサブルなのをシングルにするのも面白いよねってところで決まったし。
RYO:で、出来上がってライヴで演ってみたらハマッたな、みたいな。
TAKA:思った以上にオーディエンスの反応がよくて。
MASATO:この曲がきっかけで、ファンのノリが変わっていったのは感じてますね。
RYO:「LOTUS」があったから「MASQUERADE」が出来たといっても過言ではないし。僕らの感覚もスゴく変わりましたよね、この曲をきっかけに。
TAKA:踊れて、言葉で遊べて、かつセクシーなヴォーカルで、というdefspiralの自由さが花開いた曲でもあるんです。楽曲がカッコいいから何をやっちゃっても大丈夫でしょうっていう自信もあったし。
MASAKI:「LOTUS」のデモが出来た時から絶対よくなるんだな、この曲でライヴも変わるんだろうなとは予想していたんですね。実際、そういう手応えもあったし、当初、このシングルを出してすぐアルバムの制作に入るっていう話が、「LOTUS」が出来たことによってアルバム制作をちょっと先に延ばそう、あと2枚シングルを作ってからにしましょう、そのほうがもっと良いアルバムが作れるかもしれない、というバンドの制作スケジュールも変わっていったっていう。そういう意味でもdefspiralにとって大きな意味を持つ1曲だと思います。

M9「VERMILLION」
ーーこのテイストもアルバムならではなのか、と思うんですが。
RYO:これは完全に僕の趣味です。
ーーひと言で片づけないでください(笑)。
RYO:(笑)誰に理解されなくてもいいってくらいの気持ちで作ったっていう。
ーー確かに盛り上がりのない曲っていうか(笑)、淡々とそのまま終わるみたいな。
TAKA:その通り(笑)。
RYO:アルバムにこういう密室系の曲を入れたい、僕に1枠ください、とメンバーには前々から言っていて。全体のバランスを見て曲を作りたかったんです。インタビューの冒頭でも言いましたけど、アルバム全体の振り幅を広げたかったんですね。こんな曲もできて、こんな曲もあって、でもdefspiralだよねっていうのが理想だったので。
TAKA:これは俺だけかもしれないですけど、解りやすいことをどストレートにやる、メロディアスでノりやすくてポップで気持ちよいっていうのを敢えて狙ってやっていたところはあったんです、これまでのdefspiralでは。だけど、もっと深みのある表現というか、1人1人のパフォーマンスを出していきたい、という欲も本作には詰め込みたかったっていう。その部分で、RYOは振り切ってやってくれたと思うんですね、この曲で。
RYO:アルバムでこういう曲を作るのも個人的な1つの課題、目標でもあったし。なので、レコーディングのスケジュール、ギリギリまで時間をかけさせてもらって作りました。ドラムは打ち込みなので、MASAKIなんかマスタリングの時まで知らなかったんじゃないか?くらいの時期まで引っ張って(笑)。
MASAKI:マスタリングの時、初めて聴いたわ。
ーー(笑)。
MASAKI:だけど、ライヴはこうなるんだろうなっていう想像はついたんですね。逆に音源で叩いてない曲をライヴで叩いたらどうなるか? 生はカッコいいですねってところを見せられるっていう意味ではいいかな、と。
RYO:そう、それをやりたかったんです。
TAKA:そういう構想がRYOの中にはあったんでしょうけど、レコーディングも大詰めになってきた時点で“ちょっと待って、もうちょっと待って! 今、作っているから”と言うばかりで、どんな曲なのか?は謎のまま。
MASATO:“いつ出来るの?”って結構、訊いたんですけど、そのたびに“環境音楽みたいなヤツを作ってる”って言ってて。おいおい、マジかよ、みたいな(笑)。
TAKA:環境音楽って、ヒーリング? 風の音? 鳥の鳴き声?みたいな(笑)。
MASAKI:俺もその話しは聞いていた。“いつ出来るの?”って訊いたら“もうすぐ出来る。聴いてたら寝てしまうような曲が”って(笑)。
MASATO:なかなか形は見えなかったんですけど、絶対、RYOはキメてくれる!という期待感はあって。初めて聴いた時は、これはカッコいい、やっぱりキメてくれた!と思いましたね。実際にライヴでやっていても気持ちよいし。ああいう曲調なのに燃えるんですよ。
RYO:淡々とした曲で静かに終わっていくつもりではいたんですけど、ライヴでやってみると、案外、サビがグルーヴィーだったり、MASATOのギターが吠えていたりとかするしなぁ。
TAKA:スゴく熱のある曲ですよね。拳を上げるというような解りやすい盛り上がりではないんですけど、内側の温度は高いですよね。
RYO:作ってみたら案外、評判がよくて。インストアでファンの皆さんから“「VERMILLION」はヤバい(=カッコいい)”っていう声をいただくと、あぁ、僕の趣味に共感してくれる人がいるんだ、幸せだな、と。
TAKA:こういう世界が好きな人は多いと思うんですけど、表現するのはなかなか難しくて。このドロッとした感じ、この匂いはなかなか出せないと思うんです。
RYO:そんな曲をラストから2曲目に持ってくるバンドってどうっすか?っていう。
TAKA:って今、RYOはドヤ顔で言ってますけど(笑)。
ーー歌詞は、いろんな曲と繋がってるような内容ですよね?
TAKA:歌詞の世界観はリンクしてますね。アルバム全体が見えたのは最初に話した「VOYAGE」なんですけど、死生観みたいなものは先に出したシングルでも散りばめていたりしたので。結局、そこに向かって生きているんだなってことは、どの曲にもあると思います。

M10「REASON」
ーーこの曲、ある意味、懐かしさを憶えるというか。TRANSTIC NERVEの匂いもするような…。
RYO:僕は“姫路ソング”と呼んでいます(笑)。
ーー姫路ソング? 言わんとしてること、解らないでもないですが。
MASATO:俺も作りながらそう思いましたけどね(笑)。テンション・コードを使いつつ、A、B、Cと気持ちよくストレートに進む曲って意味では。
TAKA:乾いた感じっていうところでは、ハードロックかな、と捉えていますけど。ま、狙わなくても姫路が滲み出てしまうのかな(笑)。俺らの中では普通でも(笑)。
RYO:このメロディーのこの切なさが、なんか姫路やなって思うんですよ。
MASATO:ホントに考え込まず、自分が気持ちよいという展開でサクッと作った曲なんですけどね。とはいえ、実際はサビで転調したり、一筋縄ではいかない感じになってるんですけど。
RYO:そこも含めて姫路やねん(笑)。きっとMASATOは、最後の曲にしたろう、と思って持ってきたはずなんですよ。今回のアルバム、頭と最後は俺がいただく!という意気込みで(笑)。
MASATO:(笑)
TAKA:実際はどうなん?
MASATO:エンディング感はあるなって思ってはいたな。TAKA:そうなんや(笑)。俺が歌詞を書く時は、最後の曲とは思ってなくて。「REASON」というタイトルはデモから付いていたんですけど、そこから広げて歌詞を書いてレコーディングして、そうこうしてるうちに曲が出揃ってきて。曲順はどうする?って話をMASATOとしている中で“最後の曲は「REASON」がいいよね、歌詞の意味的にも”って言ってくれて、ちょっと嬉しかったですね。
ーーん? なぜ嬉しかったんですか?
TAKA:MASATOもちゃんと歌詞を読んでくれてるんやな、と思って(笑)。歌詞なんてまったく興味ないと思ってたから(笑)。
MASATO:ちゃんと読んでるって!(笑)
TAKA:でも今回、アルバムで1つの世界を作ろうという時に、物語を意識して一緒に制作できるというのは幸せなことだな、とあらためて思いました。
ーーこの歌詞で、いくつかいいな、と思ったところがあって。♪数え切れない出逢いそして別れ そのすべてが今をかたどる♪とか♪この瞳に映したい 景色があるからまた人は旅立つ♪とか。ちゃんと「VOYAGE」ともリンクしているし。
TAKA:答え合わせになってますね。まさにアルバムの最後を飾るにふさわしい曲になったと思います。
ーーあと、間奏で泣きのギター・ソロがうっすら遠くで聞こえるじゃないですか。あの感じも素敵。
TAKA:今までの風景を回想するような、そういうイメージかな?と俺は思ったんですけど。
MASATO:俺も回想シーンみたいなイメージがあって。本当はギター・ソロにはしたくなかったけど、何かないとちょっと寂しすぎるから、ちょっと入れてみようか、と思って弾いたんです。
MASAKI:ドラムのレコーディングする時にはギター・ソロは入ってなくて。“誰も何もしてないけど大丈夫? 何か入っていたほうがいいんじゃないの?”って話はしたんですよね。
MASATO:だけど、そこは大丈夫だからって言っていたんです、俺の中には、その段階で形にはしてなかったけど、構想はあったので。
RYO:ミックスの時にギター・ソロのヴォリュームを上げたりもしてみたんですけど、そこまで主張しなくてもいいよねって、結果、ああいう形になって大正解やな。
TAKA:ホントにあらためて通して聴いても、アルバムとしてまとまったな、という感じですね。

        *       *

ーーシングル3枚からのアルバム『Voyage』。この一連の精力的なリリースを終えた今、思うことはありますか?
RYO:よくやりきったと思いますね。それにまだまだやってないことはいっぱいあるんやな、とも気づけたし。
TAKA:ホンマやな。いっぱい曲を作りましたよね。
ーーまた、ライヴでの表現の方法が広がっていきそうですね。アルバムを引っさげてのツアーもありますし。
RYO:8月から全国を回ります。
TAKA:全国6箇所。しかもラストが目黒鹿鳴館という特別な場所で締め括ります。
RYO:久しぶりなんですよ。
ーーあ、そうなんですか?
TAKA:まだ俺らが地元にいてTARANSTIC NERVEをやってる時に(hideさんと)お会いする約束をしたのが目黒鹿鳴館のライヴだった、と。結局、その約束は叶わなかったんですけど…ま、そういう意味でも特別な場所なんですね。
RYO:それ以来、1回も出てないんです、鹿鳴館には。
ーー敢えて?
TAKA:敢えてやってなかったわけでもなく意識せずだったんですが、機会がなくて。むしろ、このタイミングでツアー・ファイナルを鹿鳴館でやることになったことに何か意味を感じていますね。
ーー奇しくもhideさんの生誕50周年、ソロ・デビュー20周年イヤーとして、いろんな動きがありますしね。
TAKA:ですね。hideさんに声をかけていただいたことは、東京へ出て本格的に音楽を始めることができた大きなきっかけではあるんですが、活動をしてきた10数年間、ずっと何か関わりがあったというわけではないですし。ただ、この数年間、ロックミュージカル『ピンク スパイダー』に出させていただいたりとか、またhideさんに関わる機会が増えてきたりしてるのもあって。7月3日発売のhideさんのトリビュート・アルバム『hide TRIBUTE II -Visual SPIRITS-』に参加させていただいたりとか。その流れもあって、このタイミングで鹿鳴館のツアー・ファイナルってことなので、何か意味があるんじゃないか?と思うんです。
RYO:個人的にもスゴい楽しみなんですよね。地元にいる頃、東京では毎月、鹿鳴館のイベントに出ていたと思うんですけど、そういえばワンマンはやったこともないし。
MASATO:hideさんが見に来られるって約束してた日のライヴの景色、今でも鮮明に覚えていて。2階席にhideさんの事務所の方がズラリと並んでいたこととか、ビデオ・カメラの赤いランプが付いていたとか。目黒鹿鳴館の記憶は、そこで止まってるんですよね…。きっと、その時のことを思い出しながらやるライヴになるんやろうな、って思います。
MASAKI:俺はスッゴい緊張してたんで、あの時は全然、前が見えてなかった(笑)。打ち込みものも、まだMDで出してましたから。
ーーそんな時代でしたよねぇ。
MASAKI:ええ。個人的には、何かいい感じになりそうやなっていう期待はあります。
ーーきっと、鹿鳴館のライヴをやってみたら、何か解るかもしれないですね。で先程、話に出た『hide TRIBUTE II -Visual SPIRITS-』には「everfree」で参加されているという。これは14年前の『hide TRIBUTE SPIRITS』にTRANSTIC NERVEで参加された時と同じ曲ですが。
RYO:そんな気合いを入れて、もう1回、「everfree」をやってやるぜ!みたいなのでもないんですけど、もう1回やってみたいねって。
ーーまあ、皆さんはロックミュージカル『ピンク スパイダー』でhideさんの曲を一通り、何十回も演奏されてきてますもんね。
RYO:本家のhide with Spread Beaverよりもステージで演奏してる回数は多いんですよ。そこはI.N.A.さん公認なんですけど。ま、そんなI.N.A.さんに今回の音源が出来てすぐ送ったら“本当にhideさんの音楽を知り尽くした上でのアレンジだね”ってお褒めの言葉をいただいて…もうこれ以上の喜びはないですね。あちこちにトラップを仕掛けてるんですけど、その部分にI.N.A.さんは大爆笑してくれたのも嬉しかったですし。
TAKA:当時の「everfree」をあらためて聴くと、自分たちの熱意というか、がむしゃらな感じが伝わってきて、それはそれでカッコいいんですよ。そこから年月を経て、hideさんへの思いも変わってきましたし、俺らも紆余曲折ありながらもずっと音楽を続けてきましたし。そこで今、「everfree」をやるとどうなるか?ってところですね。
RYO:実は敢えて同じことをやってみたりもしてるんです。
ーー?
RYO:当時のシンセを引っ張り出してきて、同じ音源でSEの部分を作ったり。
TAKA:そういうとこ、ロマンチストやな、RYOさんは。
RYO:いやいや(笑)。基本的なアレンジに関してはそこまで劇的に変えるということは敢えてせず、素直にやってみましょうっていう感じです。素直に今、やったらdefspiralになるんじゃない?っていう変な自信もあったんですよ。説得力は当時よりはるかにあると思ってるんで。あとは遊び心をちょいちょい入れていきましょうよって感じですね。ギター・ソロでMASATOが遊んできたから、じゃ、俺も何かやらなければ…ってベースを入れたりして。
MASATO:何も言わずにそこを敢えてギターを入れて送ったら、予想通りのベースが入ってきたっていう(笑)
RYO:それが何なのか?はぜひ、聴いていただければ。
MASAKI:きっとhideさんの音楽が大好きな人なら、解ると思うんですよ。
RYO:このトリビュート・アルバムを全曲聴いてるんですが、これは是非とも1曲ずつちゃんと聴いていただきたいですね。ホント、どのアーティストの演奏も、hideさんへの愛が満ち溢れているので。■

【Interview:Kimico Masubuchi】


■defspiral → http://www.defspiral.com

defspiralインタビュー【2nd Al『Voyage』,『hide TRIBUTE II-Visual SPIRITS-』】1/2

_defspiral_01_mainAphoto

_defsppiral_voyage








2nd Album『Voyage』
NOW ON SALE



5月22日、約1年半ぶりとなる2ndアルバム『Voyage』をリリース、
また新たな一面を魅せてくれたdefspiral。
曲の1つ1つが個性を放ちながら、
歌詞には大きな“Voyage”というテーマが貫かれる、そんな大作に仕上がっている。
作品をリリースしてから少し時間が経ったので、
聴いた人それぞれに感想はあるだろう。
そんな方は、この“『Voyage』全曲インタビュー”で
答え合わせをするのも面白いかもしれない。
感じたことがメンバーの話と同じだろうが違っていようが、
正解も不正解も、もちろん存在しないけれど。

そして後半では7月3日発売の『hide TRIBUTE II-Visual SPIRITS-』についての話を。
hideさんへの彼らの想い、本格的に音楽活動を始めた頃の、
彼らの原点が見えるエピソード満載でお伝えしよう。


    
          *          *

ーー5月22日発売の2ndアルバム『Voyage』。ファンの方からは元よりミュージシャンの方からも大絶賛されてるそうで。
RYO:ありがたいですね。
ーーまた2ndアルバムにして“航海”というアルバム・タイトルになったのは?
TAKA:きっかけは「VOYAGE」という曲ですね。アルバム中4曲はシングルで先に出ていたんですけど、アルバムのレコーディング中盤に「VOYAGE」という仮タイトルの曲がMASATOからメールで送られてきて。聴いてみると正にこの曲は「VOYAGE」だな、というような大海原を航海する映像が浮かぶものだったんですね。たぶんMASATOはアルバムの1曲目をイメージして作ってるんだろうな、とも思えたし。アルバムの幕開けにふさわしく、しかもテーマを集約してるんじゃないか、ということで、アルバム・タイトルも『VOYAGE』にして旅をテーマに1つの括りにしようと思ったんです。
ーーなるほど。ではアルバムのテーマを導くことになった曲、1曲目「VOYAGE」からお話しを伺わせてください。

        *        *

M1「VOYAGE」
ーーTAKAさんが感じたように、この曲を1曲目にしようと思ってMASATOさんは作ったんですか?
MASATO:完全に狙っていきました(笑)。
RYO:デモを聴いた時から、これは狙いにきたな、とすぐ解りましたからね(笑)。
MASATO:CDを再生した時、1曲目にインパクトがほしいなっていうのがあって。変拍子を使ったりアラビック系のスケールを使ったり、シタールの音を入れたり。そういう所も狙っていきましたね。
TAKA:アルバムという1つの作品で、ここから何が始まるのか? このバンドはどういう音を出してくるのかな?っていうワクワクが煽られる感じの曲だと思うんです。俺らの音楽が一筋縄ではいかないってところも出したかったので。
ーーワクワク感といえば、MASAKIさんのスネアの音も一役買ってません?
MASAKI:確かにそういうところは意識しましたね、デモの時から「VOYAGE」は1曲目なんだなっていうのはあったので。あとdefspiralでは変拍子を使うこともこれまでにあまりなかったから、そこも挑戦だったというか、面白味がありましたね。作ってる側としても出来上がる前からアルバム全体が面白くなりそうだなって。
ーーサウンド、変拍子、前半戦の情景描写が相まって、荒波に揉まれる船の情景が浮かびますね。
TAKA:正に変拍子の落ち着かない揺れる感じは、大波、嵐にのまれる船の場面にマッチするな、と。そこからイメージが膨らんだってところもありますね。映画でいうとクライマックスのシーンが冒頭にバーンとあるような作りというか。歌詞を書いていた時もライヴで唄っている時も映画の1シーンのような映像がガツーンと浮かんでいます、僕の中では。

M2「STORM」
ーー荒波にのまれる船の映像が浮かぶ「Voyage」の次に「STORM」、これも狙ったんでしょう?(笑)
RYO:それが狙ってないっていう(笑)。
TAKA:もちろん、曲を並べる時はサウンド、歌詞の世界も含めて曲順は考えましたけど。
RYO:ただ「STORM」に関して言えば、速い曲を作りたいな、と思って作っただけなんです。16ビートのノリでうねってる感じの曲がライヴに必要かな?っていうアレンジ先行で作ったので。
MASAKI:defspiralになってからテンポがわりと速いんですよ、8ビートにしても、何にしても。
RYO:(TRANSTIC NERVE→the UNDERNEATH→defspiralと)バンド名が変わるたびテンポが速くなっていくという。
MASATO:勢いが増していくというか。
RYO:体力に逆らっていこうっていう(笑)。
MASAKI:だんだん激しいのが多くなってきてるんです。その中でも「STORM」はアップ・テンポで音の厚みもあるから、音が重なっていくにつれてドラムの音、とりわけ細かいフレーズが埋まりがちなになるので、しかり抜けるように気を付けて叩きましたね。
RYO:実は作った時は突出して個性がある曲ってわけではなかったんですけど、デモの歌入れの段階でTAKAさんがオォ〜とかガヤ系のコーラス・パートを入れてきてくれて。それで締まった気がするんです。
TAKA:曲ごとに個性をつけていきたいというのは、どの曲に対してもあって。「STORM」が3分ちょっとの短くて潔い曲っていうのも個性なんですけど、もう一味欲しいなと持ってサビに合唱みたいなコーラスを入れたんですね。よりエモーショナルな勢いが出たかな、と思います。間奏は非常にドラマティックですね、ギターとかも。
MASATO:実はデモの段階からRYOが弾いていたギターをそのまま活かしてるんです。この曲は最初から構築されてたので、ちょっとハモりを足したくらい。
RYO:そうか。そんな変わってなかったか。ま、みんなが言うように潔いって感じ、バッと始まってグワーッといってパスッて終わるっていう感じにしたかったんですよ。
ーーグーワッといってパスッて終わる…解りづらいけど、つまり太く短い曲、みたいな感じ?
RYO:そうそうそう(笑)。defspiralってメンバーみんな凝り性なので、やたらめったら小賢しいことしたがるんですね。
TAKA:1曲にいろいろ盛り込んで大袈裟になっていく傾向はあるな。
RYO:もちろん、そういうのが好きでやってるんですけど、たまには潔く終わる感じもいいんじゃないの?と。だからdefspiralにとっては、ある意味、挑戦だったんですね、「STORM」は。
ーーこのメンバーで15年以上、音楽を作ってきて、まだやってないことはいっぱいあるっていうのに驚きです。
RYO:そうなんですよ、まだまだあるな、って。
MASATO:そういうやってないことを見つけて、敢えてやってるところはあります、このアルバムでは。

M3「MASQUERADE」
ーー初っ端の勢いのまま踊らせてしまおう!という感じですかね、3曲目の「MASQUERADE」は。
RYO:ま、defspiralの1つのテーマにはなってますからね、踊れる感じのビート感は。
ーーライヴでもスゴく盛り上がる曲のひとつとして、すっかりお馴染みで。
TAKA:元々、4分打ちの曲が多かったり好きだったりするんですけど、「LOTUS」をきっかけに爆発的に踊れる曲というのもdefspiralのカラーの1つになって、ライヴの景色も変わったな、と思うんですね。その延長上にある曲というか…アホが付くくらい解りやすくて踊れる曲みたいなこと、MASATOは言ってたよな? これ、ホントは作曲者がしゃべったらええんやけど(笑)。
MASATO:そう(笑)、作った時はダサくてもいいから解りやすく踊れる曲を作るというのがテーマでした。メロディーは90年代の頃のダサさを入れつつ。
RYO:90年代のダサさって…おい!(笑)
TAKA:90年代全否定みたいな(笑)。
MASATO:いや(笑)、ちょっと前だったら古くて恥ずかしいなと思っていたことも、2013年の今なら出来ると思って敢えて取り入れた感じですね。
TAKA:結果的に、この曲は装飾もされて、もちろんダサくはないんですけど(笑)、原曲は驚くほどシンプルで。
RYO:サビの転調もなかったんですよ。だけど、そのキーのままだとサビは高すぎるし、サビのキーに合わせるとAメロ、Bメロは低くなるし…というのが悩みどころで。そうしたらある日突然、TAKAさんがサビを転調したパターンを持ってきたんですね。その転調がもう神がかっていて。
TAKA:元々の転調しないパターンでいくと、わりと力で押していくようなイメージで、自分の歌のキー的にもそれがちょっと厳しい感じだったから、何か他の手はないかな?と転調してみたら一気に華やかになって、そこからイメージがバーン!と広がったんですよ。
RYO:あの転調には心臓を鷲掴みされましたよね。
TAKA:セクシーな感じが加わって。それと同時に「MASUQUERADE」っていう言葉と景色が思い浮かんだんですね。“仮面舞踏会”の華やかな絵が。
RYO:転調されてきた段階で♪MASQUERADE〜って歌詞ものってましたしね。
ーーその♪MASQUERADE〜の後の歌詞、言葉が詰まりすぎていて聞き取りづらいんですよ(笑)。
MASATO:正にあの部分ですね、ダサいという部分は(笑)。あそこは挑戦だな、でも面白いかな?と思いながら作ったので。
TAKA:やっぱり難しかったですよ、歌詞も。下手したらダサくなるし。ただ、言葉が詰まっているぶん、逆に♪MASQUERADE〜のインパクトは出たかと思うんですけど。♪MASQUERADEというキーワードでアレンジも含めて歌詞も同じ世界へ向かえたのはよかったかなって思います。やっぱりこういった解りやすさも大事だなって思うし。
MASAKI:解りやすく踊れる曲ってところで、ディスコのノリになればいいな、という意識で叩いてますね。メンバーが言わんとしてることをリズムでも表現しつつ、カッコよく、ねちっこくエロティックの方向へいければいいかな、と。

M4「GLARE」
ーーこちらも先に発売されてるシングルということでライヴでは浸透してますね。
RYO:そうですね。ただ、演奏が難しいんですよ。得てしてMASATOの曲はリズム隊泣かせっていう(苦笑)。
MASAKI:昔からですよ、MASATOの曲は。リズムに凝ってるっていうか。
RYO:Aメロが2回出てきたら1回目と2回目のリズム・パターンは絶対に違うし。
MASATO:リズムに凝っちゃうんですね、ギターよりも。
RYO:ギターよりもって…それ、問題発言ちゃうか?
MASATO:(笑)どうしても面白いことしたくなっちゃうっていう。
TAKA:恐らくMASATOなりのロック・サウンドみたいなのが彼の中にはあるんだろうなって毎回、思いますけど、この曲も、もれなくMASATOらしさが出ているんじゃないかと思います。

M5「RAINBOW」
ーーあのー、この曲だけ、なぜこのタイトルになったのか? ちょっと理解が出来なくて…。
TAKA:ファンの子にも言われましたね。
ーーやっぱり。
TAKA:アルバムをリリースした直後なんで、手紙にアルバムの感想が書いてあることが多いんですけど、“「RAINBOW」だけはしっくり来ないんです”とありまして。
ーー仮タイトルが「RAINBOW」だったから?
MASATO:いえ、仮タイトルは「BRAIN DRIVE」。
TAKA:そうだった。その仮タイトルのデモ曲を今年の初めくらいにMASATOが持ってきていたんですけど、その時から面白くなりそうだなっていう予感はあって。イントロのジャズっぽい雰囲気とかもあったんですね。当時はシングルのレコーディング時期だったんですけど、きっとアルバム用の曲だなっていうのはメンバー間では暗黙の了解としてあって。
RYO:うん、俺もそう思ってた。
TAKA:アルバムの振り幅を広げるには面白いな、と。で、実際、アルバム制作に入った時に、さあ、どうやってまとめようかな?っていうところで、ちょっとメロディーを変えたのかな。一般的なポップス論でいくと非常に解りにくい曲だと思うんですね。ただ、そんな既成概念で小さくまとめたら面白くない、とも思いましたし。
MASATO:作った時は最初のランニング・ベースから始まりたいな、くらいのところしかなくて。CDプレイヤーでアルバムかけている途中、こういう曲が出てきたら面白いなっていうだけなんですけどね。ま、あとはもう、ひっちゃかめっちゃかです、ノリで(笑)。メジャーのコード進行の曲っていうのは、なかなかロック・バンドはやらないでしょ?
ーー特にdefspiralさんのイメージにはないかも。
RYO:マイナー大好きなんだろうねっていうバンド・イメージですからね(笑)。
MASATO:だけどアルバムにはメジャーのコード進行の曲が1曲ほしいと思っていて。サビもメジャーなんですね。
RYO:そのせいかな、確かに歌録りに時間かかったね。
TAKA:だったっけ?
RYO:うん。1つ1つ確かめながら“この歌、どう思う? こっちやったらどう?”とか言いながらやった記憶がありますよ。基本、歌録りは2人でやるので。
TAKA:ま、RYOの記憶によると歌でも迷っていたらしいんですが(笑)、作りながら唄いながら理解していった感じだったのかな、と思うんです。楽曲のひっちゃかめっちゃかした感じを歌詞でも描きたいなっていうのがあって、カラフルなファンタジーの世界を描いたんですね。つまり、タイトルの「RAINBOW」は虹のイメージというより、カラフルな原色が並んでる感じっていうか。
ーーああ、パレットに並べた絵の具のように。
TAKA:はい。タイトルは♪瞳に映るレインボウ♪って歌詞からなんですけど。“虹”っていう言葉に対して多くの人がイメージする“希望”とか、そういうシリアスなことではなく、俺の中では原色が並んでるクレイジーな感じ。“テーブルの上でサーカスが始まった”っていう出だしからして非現実的じゃないですか。
ーーちょっと正気じゃない感じはしますね。
TAKA:ま、シラフではないですよね。アニメーションなのか? ファンタジー映画なのか? っていうような物語っぽい歌詞。そういう表現も含め、非現実的な世界観を描いていて。
RYO:ファンタジーやね。
TAKA:そういう遊びができる、好きな色を塗れる曲なんですね、このひっちゃかめっちゃかな曲の感じは。真面目なことをとやかくいう曲でもないし。だから意味があるようでなかったり、意味がなさそうであったり、聴く人が好きに感じてくださいっていう、遊び心満載の曲。これは俺の持論なんですけど、歌詞は1から10まで伝わらなくても別にいい、と。例えばノリで書いた言葉に心を打たれる人がいてもいいと思うんです。そういうのも含めてロックだなと思ってるんで。
ーーええ。MASAKIさんは、こんな展開の曲、どう思いました?
MASAKI:defspiralでは4分打ちかメタルっぽい曲が多いんですけど、イントロのSEがあってジャジーな部分があって、ロックンロールっぽい匂いもあって、そこが面白いですよね。あと、サビでハーフになってドーン!と大きく見せるところも叩いていて楽しいですし。
TAKA:前作『PROGRESS』でいうと「PARADICE」とかのポジションにある曲かな、と。あそこから、もっと自由になった進化形っていうか。defspiralの表現の幅が広がっていってるんだなって思います。

→インタビュー後半はコチラ


■defspiral → http://www.defspiral.com



ライチ☆光クラブ・HAKUEIインタビュー【『グランギニョル』,『黎明』】2/2

Litchi_Artist_1

TMLA_0022TMLA_0021


コチラからの続き

M11「Crescent Moon」(新曲)

ーーかなりジャズ要素が強いですね、この曲。
HAKUEI:というか、完璧にジャズ・チューンです。この曲はある日のスタジオ終わりに壮祐くんと2人で飯食いながら“ちょっとこんな曲あり?っていうような意外性があって、この世界観にハマる曲を作りたい”って話をしてて。“ライチ☆光クラブの曲を並べてみると音数の多い曲がたくさんあるから、シンプルな方向でちょっと変わったものを作りたいんだよね”って。そしたら壮祐くんが“ジャズみたいなのはどうですか?”ってアイディアを出してきたから、“あ、いいね、ジャズって。絶対、合うと思う”ってそのアイディアに乗ったんですね。ただ、やるんだったらジャズ風とか、ジャズの要素が入ってる程度のものじゃなくて、思い切りジャズをやってみよう、と。それくらい行ききっちゃおうってことで作ったんです。だからギターも入ってないし。メインは歌とピアノ、そこへブラシで叩いたドラムを入れて、HIROKIさんにはウッド・ベースを弾いてもらって。
ーー本格的! なんちゃってジャズじゃないですね。
HAKUEI:一応、ジャズ・ミュージシャンになりきってますから(笑)、この曲では。
ーー壮祐さんって、元々、ジャズを得意とする鍵盤の方なんですか?
HAKUEI:彼はエンジニアでありアレンジャーでもあるんですけど、楽器は鍵盤も何でもできるマルチ・プレイヤー。音楽は何でも聴いてますね。ロックはもちろん、ポップス、ジャズ、プログレ、理解不能な前衛ミュージック…だから相談すると、いろんなアイディアが出てくるんです。
ーーなるほど。「Crescent Moon」ではアナログ感のある生っぽいサウンドが、歌詞にもとってもマッチしています。なんか昭和っぽさも感じるというか、歌詞中の“セルロイド”って言葉は近頃あまり聞かないし。
HAKUEI:“昭和レトロ”な感じは作品のテーマにもなっているんで言葉のチョイスも意識してます。ただ、曲が思い切りジャズなんで、漫画『ライチ☆光クラブ』の世界と結びつける言葉というところで、かなりデリケートに選びました。


M12「Dark Knight」(新曲)
ーー冒頭のヴァイオリンはクラシックの……。
HAKUEI:あの有名なバッハの「小フーガ ト短調」。最初、デモの段階では、あの部分はなかったんです。元々はtatsuoくんに“思い切りゴチャゴチャしていて、激しくてメロディックでイキきっちゃう曲がほしい”と話してデモを作ってもらって。そこへ仮歌を乗せてみたら、スッゴくカッコいいんだけど、さっき話したようなノスタルジックな要素をさらに付け足したくなったんですね。それで、それらしいフレーズをキーボードでいろいろ入れて試してみたりしたんですけど、もっと個性の強いものをぶつけてみたくなって。何かないかな…とずっと考えていたら、パッとバッハのあの名曲が頭の中に浮かんだんです。
ーーうんうん。
HAKUEI:それを壮祐くんに伝えて、とりあえずキーボードに元から入ってるヴァイオリンの音色で弾いて曲に入れてみたら、しっくりハマッて。大至急、譜面に起こしてもらって、ヴァイオリニストに弾いてもらいました。
ーー生のヴァイオリンが入ってるなんてゴージャスです。そういったクラシックの要素以外にギター・ソロのハード・ロック…いやヘヴィメタですかね、そんな要素も入っていて。しかもギター・ソロが上手すぎて(笑)。
HAKUEI:上手すぎて笑うよね、tatsuoくん(笑)。彼には“ヘヴィーメタルなアプローチを遠慮しないでやってくれ!”と頼んだら、tatsuoくんも“思い切りギターを弾けて楽しかった”って言ってましたよ(笑)。
ーー歌詞も相反する要素がゴチャッと混ざってる感じがしたのですが。
HAKUEI:えっと…「Dark Knight」は性は汚らわしいものだと捉え、大人になることを拒んでいる少年たちの純粋さと、『創世記』にある“アダムとイブ”の話をリンクさせて書きました。大人の世界の汚さって、欲望が引き金になってることが多いと思うので。


M13「罪と罰」(第七弾楽曲・2011.12.24配信)
ーーピアノとアコギが美しいバラードですね。
HAKUEI:これは漫画『ライチ☆光クラブ』のシーンのオマージュというよりは、配信した時期が年末のクリスマス辺りだったので冬に似合う雰囲気にしてみました。ぶっちゃけ、マンガとはあんまりリンクしていません(笑)。


M14「Beauty Beast」(新曲)
ーー曲のほとんどがラップでちょっと驚きました(笑)。
HAKUEI:これもライチ☆光クラブという柔軟なユニットだからできた曲かもしれないですね(笑)。“ラップの曲やりたいな”ってtatsuoくんに話した時、彼の知り合いのRAH-Dに頼めないかな、と内心思っていて(笑)。っていうのは以前、tatsuoくんがRAH-Dと仕事をした音源を聴いた時、“やっぱり黒人ラッパーってスゴいな。コラボできないかな?”って思っていたからなんですけど。それでtatsuoくんに“RAH-Dとコラボできないかな?”とダメモトで言ってみたら“あ、全然いいよ”みたいな感じで引き受けてくれて。まぁ、彼は気分屋さんで大変でしたけど(笑)。
ーー(笑)。ラップの人って、フリー・スタイルとかいろいろいらっしゃるから、もしかして気分がノらないと歌えない、とか? 
HAKUEI:RAH-Dはフリー・スタイルっぽくやるのかな?って僕も勝手に思っていたんだけど、わりと緻密でした(笑)。あまり日本語が得意じゃないってことで“テーマを全部ひらがなで送ってください”と言われていたので、ひらがなで書いたテーマをメールして、僕は僕で同じテーマで歌詞を書いて、という感じです。
ーーそのテーマとは?
HAKUEI:タイトルどおりですね。漫画の登場人物“カノン”と“ライチ”がヒントにはなってますけど、『ライチ☆光クラブ』の漫画の世界っていうよりは“Beauty Beast”ってところに焦点を定めてますね。


M15「ガガガ」(第十一弾楽曲・2012.08.26配信)
ーーこの曲は配信前の今年8月5日、東京キネマ倶楽部でも演奏されていましたよね?
HAKUEI:そう。ライヴ用に勢いのあるのがほしくて作った曲で。ライヴではデモのままの1コーラスだけ歌詞を繰り返して唄ってました(笑)。だから、音源と『黎明』のDVDに収録されてるライヴ映像とは歌詞が違うっていう(笑)。
ーー(笑)。
HAKUEI:やっぱり配信する際、どうしても歌詞に凝りたくなってきちゃって、歌詞を書き直してレコーディングでは唄っていて。CDとDVDを聴き比べてほしいですね。こんなことは珍しいと思いますよ、同じ曲がデモの形、音源化された形、それぞれ完成された2つのパターンが楽しめるっていうのは(笑)。それも1つのパッケージで。


M16「微熱少年」(新曲)
ーーキャッチーでドラマティックで、ライチ☆光クラブでも数少ない明るい曲(笑)ですね。
HAKUEI:これは、これくらいのテンポのポップ・チューンがほしい、という曲調のイメージから制作はスタートさせました。タイトルの“微熱少年”に象徴されるような、少年たちの衝動を、わりと明るめに描いてます。正に青春な感じですね。
ーー少年のちょっと体温高めな感じ、伝わってきます。
HAKUEI:そう、体温高めな感じ。漫画『ライチ☆光クラブ』の世界観とはちょっと違うかもしれないんですけど。どちらかといえば、一般的なイメージの“中二病”がテーマですね、この曲は。


M17「鎮魂歌」(第十二弾楽曲・2012.10.26配信)
※作曲者:Kiyoshiさんもインタビューに参加。
ーー2011年1月1日から始動したライチ☆光クラブの一連の流れを総括するポジションでもありますね、この曲は。
HAKUEI:まだライチ☆光クラブは続きますけど(笑)、これまでの2年間の活動は一区切りって感じですね。
ーーその大事なタイミングでKiyoshiさんが作曲されたのは?
HAKUEI:漫画『ライチ☆光クラブ』の作者、古屋兎丸さんからの強いリクエストがありまして。話が出たのは昨年末くらいだったので、かなり前にKiyoshiさんには“機会がありましたらお願いします”と話はしてました。ただ、僕はmachineと差別化したほうがいいと思って悩んだんですよね。
Kiyoshi:同じ立場になっちゃうから。
HAKUEI:そう。それにライチ☆光クラブとmachineは一緒にライヴもやったりするし。そう考えて悩んでいたら、兎丸さんのほうから“いや、そんなに意識する必要ないんじゃない?”って(笑)。
Kiyoshi:(笑)
HAKUEI:“どうしても漫画『ライチ☆光クラブ』をKiyoshiさんが解釈して書いてくれた曲を聴いてみたい”と言うんで“ま、それもそうだね”ってことでお願いしました。
ーーその辺、Kiyoshiさん自身、迷いはなかったですか?
Kiyoshi:読みたかった兎丸さんのサイン入り漫画本、もらっちゃったしね(笑)。
ーーえっ、それが決定打?(笑)
Kiyoshi:(笑)実は俺、『ライチ☆光クラブ』の原作になった劇団・東京グランギニョルの舞台『ライチ光クラブ』のこと、ガキの頃からちょっと知っていて。当時、“へぇ〜、こんな世界があるんだ。なんかちょっと気持ち悪いな”って思ったことを、うっすら覚えていたんだ。だから漫画『ライチ☆光クラブ』には興味があって読みたかったんだよね。というのもありつつ、ホントは…音楽を作りたかったの(笑)。インダストリアルで耽美な残酷劇を音にしたいな、と漠然と思っていたんだけど、HAKUEIが悩んだように、machineのこともあるし…って同じことを考えてたんだ。machine以外でHAKUEIと何か一緒にやるのは棲み分けが難しいなって。ま、そんなことを考えながら時間は流れて。改めてHAKUEIから“ライチ☆光クラブのアルバム最後の曲を書いてもらえないですか?”と依頼がきたのね。当然、引き受ける前に何度も確認したんだ、“machineとして、じゃなくていいんだよね?”って。そしたらHAKUEIは“もちろん。漫画のどの部分でも、どのモチーフでもいいです。好きなところを描いてもらえれば”って言ってきたの。それで、さらにもう1回、漫画を読み返して。何度読み返しても、俺の中では最後のシーン、水の中に死体がグッチャグチャに浮かんでいるところが脳裏に焼き付いてるというか、やっぱり印象深かったのね。
ーーええ。
Kiyoshi:それに、楽曲の一連の中で、まだあのシーンは音楽になってないな、というのもあって。HAKUEIは言わないけれど、求めているのは絶対それだろう?と。
ーー具体的にオファーされなかったんですか?
HAKUEI:なんか“このシーンのこの曲を作って”っていうよりも、兎丸さんと同じ気持ちで、あの漫画を見て1曲お願いした時にどんな曲が出来てくるんだろうな?っていうのが楽しみだったところが正直なところですね(笑)。
Kiyoshi:ただ、きっとHAKUEIが思うところは、あのシーンの音楽だと思ったの。きっと、これは暗黙の了解だなって(笑)。そこからは、あのシーンをモチーフに、HAKUEIがこれまでに唄ったことない感じの曲を模索しながら作っていったのね。これ、HAKUEIが唄ったらカッコいいいなっていうもの、なおかつ大事なシーンになるってことを意識して。デモと一緒に漫画の最後のシーンの写メとって“この感じ”って一緒に送ったんだ。
ーー送られたデモを聴いていかがでした?
HAKUEI:2年間の配信シリーズ、その最終楽曲にふさわしいテーマと曲調だな、と思いました。そんなに歌詞がスルリと出来たわけじゃなかったけど、イメージは湧きやすかったから、あとは言葉を探す作業だけでしたね。最後のシーンとブレもなかったんで。
ーーもしかして歌詞を書くのが難航したのかと思いました。♪Oh………♪で唄ってる場所があまりにも長いから。ああいう歌って、HAKUEIさんのヴォーカリスト人生の中でも初めてじゃないですか?
HAKUEI:かもしれないですね。
Kiyoshi:デモを渡した後に“あれ、歌詞いりますかね?”ってHAKUEIに言われたんだ。確かに、声でもっていくっていいなって俺も思ったの。彼の唯一無二の良い声があれば、サビは言葉とかじゃなくていいかなって。表現したい世界観は決まっちゃってるわけだからさ。あの残酷劇の残酷さを昇華させる、鎮魂させるには言葉じゃない、声しかないなって。
HAKUEI:うん、うん。
Kiyoshi:それが出来ると思ったんだ、HAKUEIなら。
HAKUEI:「鎮魂歌」に向かい合う中で、人の命がいっぱい亡くなるっていう物語のエンディングを今まで僕が歌詞に描かなかったのは、どう描いたらいいか?解らなかったのかもしれないなって思ったんですね。あのシーンは、どんな言葉でも説明のしようがなかったっていうか。“こんな結末、悲しいよ”っていうのも変だし、“これでいいんだよ”っていうのも変だし。1人1人、受け取り方は違うと思うんです。その言葉にならない複雑な感情を表すにはコレしかないな、と。浮遊感のあるサビで言葉を乗せて、あんまり押しつけがましい表現にしたくなかった、というのもありますし。
ーーなるほど。結果、この2年間に渡る一連の活動を総括するという大役もしっかり担った1曲になったんじゃないでしょうか。
HAKUEI:いや、ホントに。さすがはKiyoshiさんだな、と。
Kiyoshi:いえいえ(笑)。俺が書く前に、ちゃんと出揃ってたからね。その上で描けた曲だから。俺、全体を通して思ったの、HAKUEIが音楽を作ること、唄うことで、俺がガキの頃に思っていた“グランギニョル”のマニアックでデカダンな世界とは違ったものが見えたなって。tatsuoくんの作る楽曲も今っぽいというか、ともすれば漫画『ライチ☆光クラブ』とは相容れない世界の音だったりするじゃない。だからこそ、ライチ☆光クラブはマニアックな“グランギニョル”の世界観を明らかに広げたと思うんだ。きっと、兎丸さんがHAKUEIに音楽を任せたっていうのは、そこに意味があると思うから。ただ、俺としては、やっぱり最後の曲で漫画と音楽の世界をドン!と合わせたかったんだ。その部分でも綺麗にまとまったと思うよ…って自分で言っちゃうけどさ(笑)。

       *      *

ーーという感じで、全17曲が並びました。この2年間の活動はいかがでしたか?
HAKUEI:いやー、ホントに面白かったです。仕事というか、もう趣味みたいな感じになっちゃってますね(笑)。この自由な形のソロ・ユニット活動を通して、アーティストとしての可能性をいろんな形で開花させられたな、というか。自分で作った刺激の元で、自分自身、刺激を与えてもらってるような、そういうユニットだなぁ、と思います。自分で考えたことが実現できてしまうという点で、どんどんハードルを上げてしまうこともあるから、精神的にキツい時もあるんですけど、それを上手く乗り越えた時、想像しえなかったような作品や楽曲、映像ができたりするんで、本当にやりがいがあります。
ーーこれで、ひと区切りという形でですか?
HAKUEI:そうですね…あまり意識してなかったですけど、この17曲を作ったところまでがライチ☆光クラブの第1期みたいな感じなのかな?って今は思いますね。実は、もう次の活動の話もしてるし(笑)。これからのライチ☆光クラブでは、今までやったことを踏襲しつつも新しいこともさらにやりたいな、と。まずは、ボリュームたっぷりな2作品を、みんなの中で昇華してもらって。タイミングを計って、また違う刺激を与えたいな、と企んでます。
ーー年末の12月30日には[ライチ☆光クラブ×machine] のライヴもありますしね。
HAKUEI:今回、ライチ☆光クラブのステージには光浦さんも出ていただけるので、machineとのコントラストが強いものになると思いますよ、夏のライヴとは違って。
Kiyoshi:もしかして光浦さん、カノン役?(笑)
HAKUEI:違う(笑)。ネタバレしたら面白くないんで言いませんけど、言わなくても解りますよ、観に来れば(笑)。


<Interview:Kimico Masubuchi>


★〜★〜★〜★〜★〜★〜★


いかがでしたでしょうか。
ライヴ、新譜など、ライチ☆光クラブの情報はオフィシャルサイトでご確認ください。

【 http://www.litchi-hikari-club.com/ 】

【ライチ☆光クラブ・HAKUEI出演の『Temo-Talk』 (YouTubeラジオ)公開中!!】
 (YouTube『333music TV』内)  
 ●PC  → http://www.youtube.com/333musicTV/
 ●携帯 → http://m.youtube.com/333musicTV/


ライチ☆光クラブ・HAKUEIインタビュー【『グランギニョル』,『黎明』】1/2

Litchi_Artist_1

TMLA_0022TMLA_0021


2011年1月1日から楽曲を隔月配信してきた“ライチ☆光クラブ”。
ここで改めて説明すると、
“ライチ☆光クラブ”とは古屋兎丸の同タイトル漫画と連動した
HAKUEIのソロ・ユニットのこと。
その漫画『ライチ☆光クラブ』(古屋兎丸・作)は
'80年代、幻の劇団“東京グランギニョル”による舞台『ライチ光クラブ』を元に、美しい少年たちの、残酷で耽美な物語を描いた作品である。
これまで漫画の世界観ありきで“ライチ☆光クラブ”が
配信した楽曲は全12曲。
それらの中から選ばれた音源に新曲をプラス、まとめたものが
1st Full Album『グランギニョル』(CD+PV4曲収録DVD)、
“ライチ☆光クラブ”の全17曲を収録したものが
[-2011〜2012 COMPLETE BEST-『黎明』](CD+ライヴ映像DVD)。
この2アイテムが2012年12月12日、同時発売されるということで、
HAKUEIに緊急インタビュー。
ベスト盤の曲順に沿って、1曲ずつ1ポイント解説をしていただいた。
「鎮魂歌」では作曲者・Kiyoshi(machine,MADBEAVERS)が
インタビューに飛び入り参加!!という、
作品に負けない豪華な内容でお届けしよう。


★〜★〜★〜★〜★〜★〜★


M1「廃墟の☆帝王」(第一弾楽曲・2011.01.01配信)
ーーこの曲からライチ☆光クラブが始動したんですよね。
HAKUEI:そうですね。作ったのもホントに1曲目、ライチ☆光クラブっていうユニットのスタートを飾る曲なので、漫画『ライチ☆光クラブ』の導入部分、第1話の“光クラブ”(少年たち9人によって結成された秘密基地の名、および集団名)のメンバーが、たまたま秘密基地を覗きに来た同級生や女教師を殺す場面をイメージして作りました。
ーー今、お話を伺っていても、いろんな制約=“縛り”があると思うんですね。そういう点では、これまでの音楽制作活動とはずいぶん違うし難しいんじゃないかと思うのですが。
HAKUEI:確かにゼロから作るのとは違うのでいろいろ悩みはしましたけど、モチーフがあって歌詞を書くことには、また違った面白味がありましたね。楽曲はtatsuoくん(eversetのギタリスト。コンポーザー、アレンジャーとしても活躍中)とか壮祐くん(レコーディング・エンジニア、アレンジャー)と、いいチームワークで制作できたし。彼らとは本当にスゴく相性がいいっていうか。変に躓いたりすることなく、楽しみながら制作してました。


M2「666」(第二弾楽曲・2011.02.26配信)
ーー“666”というのは?
HAKUEI:ライチ(光クラブのある目的のために作られた機械<マシン>)を起動させる時の起動コード。“666”と入力するとライチが動き出すっていう。そんなシーンをイメージしつつ、ヒップホップ・ユニット、DOBERMAN INCと一緒にバンドではなかなかできないようなコラボレーションをしましょうってところで、ラップありきのヘヴィーなサウンドの曲をtatsuoくんに作ってもらいました。
ーー歌詞はDOBERMAN INCとの共作ですが、場所場所で振り分けて書いていった感じですか?
HAKUEI:ですね。歌詞のテーマを伝えて同時進行で作詞を進めて。結果的に、うまくリンクしたと思います。
ーー本格的なヒップホップ・ユニットとのコラボ、いちリスナーとして新鮮でした。
HAKUEI:そこは狙ってましたから(笑)。1曲ずつ配信していくというリリース・スタイルだったのもあって、配信するたびにリスナーの意表を突いて“え、なんだこれ?”と思わせたかったという(笑)。


M3「囚われの白百合」(第三弾楽曲・2011.04.26配信)
ーー意外性という点では「囚われの白百合」は、その最たるものじゃないか、と。
HAKUEI:僕、メインで唄ってないですからね(笑)。コーラスしか唄ってないし。ライチ☆光クラブの1曲目が僕の歌、2曲目がラッパーとのコラボ、じゃあ次はどうしようか?ってところで主旋律を女の子に唄わせてみようか、と考えて。
ーー発想が大胆(笑)。
HAKUEI:そういうところでもライチ☆光クラブの自由度みたいなのを伝えたかったんですね。この曲の発想の大元はそこです。
ーーメイン・ヴォーカルの木村優さん(モデル、ヴォーカリスト)を選んだのは?
HAKUEI:彼女のキャラクターですね。たまに僕も出るファッション雑誌『KERA』に優ちゃんもよく出ているので彼女の存在は知っていて。みんなと相談して“やっぱりカノン(光クラブの行く末を握る美少女。通称「囚われの白百合」)のイメージに合う人がいいよね”ってところで、何人も候補がいる中で木村優ちゃんにオファーをしました。
ーーいちばん重視したのは?
HAKUEI:見た目から入って、もちろん歌声も聞いて。彼女のやってたバンドの曲を聴かせてもらったら、スゴく女の子っぽい声だったんです。なんていったらいいのか…アニメ声っていうのかな。
ーーああ、はいはい。
HAKUEI:そういう声の優ちゃんなら、自分とは全然違う雰囲気が出せるかな?と。配信された曲を聴いた人は、きっと驚いていたんじゃないですかね(笑)。


M4「地下室の光」(第四弾楽曲・2011.06.26配信)
ーーこれもまたバンド活動では生まれなさそうな曲ですけど。
HAKUEI:そうですね。「地下室の光」は、とことん暗くいこうと思ったんです。漫画『ライチ☆光クラブ』は、工場から出る煙に覆われたような灰色の空、どんよりしたシチュエーションが舞台となっているんで。その世界観は、少年たちの心の中に鬱積している苦悩、鬱屈した心を表していると思うし、そんな心の闇を象徴するのが、彼らが創った“ライチ”という機械[マシン]だとも思うんですね。
ーーええ。
HAKUEI:そういう心の闇みたいなものは“光クラブ”の少年たちだけじゃなく、僕を含めて誰もが少なからず持っているものじゃないか、と思うので、漫画の世界観、人間の心の闇、そういったところと結びつけて書きました。
ーー3拍子と4拍子が繰り返され、テンポが大きく揺れ動いていく…その感じはHAKUEIさんが書いた原曲からあったんですか?
HAKUEI:はい、どんよりした変な曲を書きたかったんです。ライチ☆光クラブでの楽曲制作では、漫画『ライチ☆光クラブ』のシーンをヒントに書くこともあるんですけど、それはあくまできっかけにすぎないんですね。むしろ、漫画をきっかけにアーティストとしての自分がやりたいことに昇華させてるっていう感じというか。その最たるものが、この曲じゃないか、と思います。
ーー“小学生”“中学生”の朗読が入ってるのも面白い表現方法ですよね。
HAKUEI:漫画の主人公が中2なんですけど、よく巷で“中二病”(※1)とか言って揶揄するじゃないですか。けど結局、人はみんな、その年頃の苦悩とか喜びとかをずっと引きずって生きていくと思うんですよね。その頃の経験が、後の人生のヒントになっていくっていうのかな。人生の中でいちばん、そういう感覚がみずみずしい時だから。
ーーいわゆる思春期って、いちばん心が繊細な時期でもありますからね。
HAKUEI:そうそう。漫画の主人公が正に中2なので、音楽の題材としてはスゴくいいテーマというんですか。そこをダイレクトに表現できるのが面白いんですね、ライチ☆光クラブというユニットでは。
※1)中二病=中学2年生頃の発達途上の段階にありがちな発想や志向などを揶揄した言葉。


M5「漆黒のバラ」(第五弾楽曲・2011.08.26配信)
ーー歌詞も曲も大人っぽい雰囲気の曲ですね。
HAKUEI:ですね。壮祐くんと2人でスタジオに入って僕がメロディー考えてピアノでコードを探っていくうちに“この曲は歪んだギターを入れる感じじゃないよね?”って話になって。曲の雰囲気をより盛り上げるのに、楽器は何を入れてみようか?ってキーボードでシュミレーションしていった時、“あっ、サックスかも! じゃ、武田真治くんに吹いてもらおうか”と。
ーー昨年末のライヴにも登場されてましたが、元々、お知り合いですか?
HAKUEI:武田くんはお笑いの光浦靖子さんがレギュラー出演している『めちゃ×2イケてるッ!』繋がり(笑)。
ーーそっかそっか!(笑)
HAKUEI:パワフルでアッパーな曲で、ロックなサックスを吹けるプレイヤーって考えた時、武田真治くんしか思い付かなくて。…っていうか、他にいますか?
ーーうーん……。
HAKUEI:いないじゃないですか? 武田くんは忌野清志郎さんやZIGGYの森重樹一さんとも共演してるし。
ーーそれに武田さんのサックス、嗄れた音で味があるんですよね。
HAKUEI:いいっスよねぇ。武田くんのサックスで、曲のニュアンス、淫靡で耽美な世界観が出せたなって思います。
ーー歌詞のエロティックな感じと、情感が込められたセクシーな歌とサウンドが絶妙です。
HAKUEI:先にレコーディングしたオケの感じも相まって、ヴォーカル・レコーディングは会心の一撃だったなと思います、自分でも。


M6「エラガバルスの☆夢」(第六弾楽曲・2011.10.26配信)
ーータイトルにある“エラガバルス”っていう人についてちょっと調べてみたんですが、この方、とんでもないですね(笑)。
HAKUEI:とんでもないですよね(笑)。でも、エラガバルスを“光クラブ”の少年たちは崇拝してるんですよ。
ーーそれもとんでもない話だ(笑)。
HAKUEI:エラガバルスは美しさを純粋に追求するために、同性愛に走ったり、自ら去勢してるんですよね。自分で切っちゃったり、周りの人間のも切ったり(苦笑)。ホントにもうデタラメで。それで結局、処刑されてしまうんですが。
ーー究極に快楽を追求するがゆえ、そういうことをしたんですか?
HAKUEI:快楽っていうか、それは崇高なる精神らしいですよ、一応。スッゴい歪んでるんですけど(笑)。でも、そういう歪みって普通の思春期の子にもあるじゃないですか。ダーク・ヒーローを信じて疑わなかったりとか。良い意味でも悪い意味でも、その年頃の子は純粋だから。
ーーそんな内容をDOBERMAN INCと唄い分けてる、と。
HAKUEI:ですね。“純粋なる倒錯”をテーマに。


M7「囚われの白百合へ」(「囚われの白百合」Dear Kanon ver./新曲)
ーーYouTubeラジオ『Temo-Talk』でも伺いましたが、「囚われの白百合」のアンサー・ソングともいえる曲。こういった形式になったのは?
HAKUEI:最初は「囚われの白百合」を、まんま唄おうかと思ったんですけど、曲と向かい合った時、なんか違うな…と思って。で、歌詞は残せるところは残して、替えるべきところは替えるという作業をしました。
ーー結果、同じ事象に対して女性と男性が別々な捉え方をしているってことが表現されてて面白いな、と思いました。こういう歌詞の書き方って以前にあったような…。
HAKUEI:PENICILLINの「ナルシスの花」っていう曲では1曲の中で書き分けてますね。1コーラス目が男性目線、2コーラス目が女性目線って感じで性別を変えて。あの曲では、2つの感情は自分の中に両方存在していた、結局、二重人格だったオチなんですけど(笑)。なので、書き進めていく上で「ナルシスの花」はヒントになったかもしれないです。


M8「innocent fever」(第八弾楽曲・2012.02.26配信)
M9「真実の弾丸」(第九弾楽曲・2012.04.26配信)
M10「風と共に去りぬ」(第十弾楽曲・2012.06.26配信)
ーーそして作品の中盤には7月25日に発売した[ライチ☆光クラブ×machine]スプリット・シングル「Rendez-vous」に収録されている3曲が並んでる、と。
HAKUEI:そのまま並んでるっていったら芸がないみたいですけど(笑)、“COMPLETE BEST”なので作品に収録された順に並べてみようかと。同時に1st Full Album『グランギニョル』も出るので『グランギニョル』は作品性を重視したつくり、こっちの『黎明』はカタログっぽいつくりにしたかったという。曲については、こちら【インタビューのアドレス、リンクさせます】を見てくださいってことで(笑)。
ーー決して手抜きインタビューではありませんってことで(笑)。


<Interview:Kimico Masubuchi>


★〜★〜★〜★〜★〜★〜★


※インタビューの続きはコチラ

※ライチ☆光クラブの情報はオフィシャルサイトでご確認ください。
【 http://www.litchi-hikari-club.com/ 】

【ライチ☆光クラブ・HAKUEI出演の『Temo-Talk』 (YouTubeラジオ)公開中!!】
 (YouTube『333music TV』内)  
 ●PC  → http://www.youtube.com/333musicTV/
 ●携帯 → http://m.youtube.com/333musicTV/


インタビュー【栄喜『栄喜e.p.』】

Hideki_ArtistPix_jacket

『栄喜e.p.』 2012.11.28 on sale

11月28日、6年ぶりのソロ作品『栄喜e.p.』がリリースされる。
先に栄喜のオフィシャル・ウエヴサイトなどで発表されてるように、
ソロ活動を再開するまでの間には悲しい出来事が起こっていた。
ふさぎ込む日々が続く中、
1日1曲作ることを自分に課してる栄喜は
ピアノに向かいメロディーを紡ぎ出そうとしていた。
そして、ふと叩いた鍵盤から響いた音。
倍音の明るい響きが栄喜の心に風穴を開けた。
一筋の光が真っ暗な栄喜の心に差し込んだのだ。
と同時に、今さらながら気づいた
“音が持っているパワー”と
“今、自分が作るべき音楽、唄うべき歌”。
そういった背景があって生み出された
“音楽” “歌詞”だからこそ、
必ずや聴き手の気持ちを前向きにしてくれるはずだ。
暗闇から栄喜を救い出したように。


           *                 *

ーーYouTubeラジオでも伺ってますが、実はアルバムから先に出来ていたんですよね。
栄喜:そうですね。今回のソロの始まりは明るい曲のアルバムを作ろう、と思ったことですから。
ーーええ。ですが、ここでは『栄喜e.p.』の1曲目「Start」からスタートしたほうがいいか、と。
栄喜:あ? あぁ、駄洒落ですか(笑)。ま、でも「Start」はアルバムにも収録されるんですけど、実は作ったの、これが1曲目なんですよ。
ーーああ、そうでしたか。
栄喜:それまでの何年間、(DETROXでは)こういう曲を全然作ってなかったじゃないですか。こんな明るいコードを弾こうとも思わなかったし、曲を作る時、ピアノの鍵盤を弾く場所(キー)も違っていたし。そんな当時の俺が久しぶりに明るい響きの鍵盤を叩いた時、“あれ? ぅわ〜懐かしいな”って、まずそこで笑みがこぼれて(笑)。それから、良いメロディーだなって思いながら作っていたんですけど、最初は自分でも照れがあったというんですか。恥ずかしいというか、今、俺がこんな曲を弾いている姿を誰にも見られたくない、みたいな(笑)。あまりにも懐かしい感じがしすぎて。
ーー明るくてキャッチーな感じは最近は作ってなかったから余計に。
栄喜:そう。昔、そういうメロディーを必死に探していた時もあったし、“売れ線”と呼ばれているものを探そうと一所懸命やってた時もあったんですけどね。その頃から比べると、今の俺は、みんなが好きなパターン、キャッチーと言われる曲を作る方程式が自分の中に出来ているんですね。その昔は闇雲に鍵盤を叩いて、たまたま出てきたメロディーの中から“あ、これいい!”っていうのを拾っていたけれど、音楽が理論的にだんだん解ってきた今は狙って作ることも出来なくはないんです。だけど、この曲はキャッチーな曲を作ろうとは全然思わずに、パーンと弾いてポーンと出てきたものなんですよ。だから、自分で弾いておきながら照れちゃったんですけど。ただ、懐かしさはありつつも、手探りで音楽を作っていた昔とはまた違うところにいけてる気がしたし、進化してる感じもして。“コレはいいな、元気になれるな”って単純に思って1曲仕上げたんですね。たぶん、この曲が出来た日のブログには“ヤバい! 元気になる!!”みたいなことを書いていたと思うんですよ。
ーーそれはいつのブログですか?
栄喜:覚えてません(笑)。過去のことは忘れてしまうので(笑)。DETROXのファンクラブの人しか見れない頃のブログに絶対書いてあると思う。ま、敷居の高い会員制クラブですから、誰でも見れたわけじゃないんですけどね(笑)。
ーー(笑)「Start」はスコーンと突き抜けるメロディーとストレートな歌詞、気持ちよいスタートが切れるって感じがしました。
栄喜:不安になるような言葉は一切ないですよね。曲のイメージにも合ってると思うし。実は“Start”じゃない言葉を入れて歌ったりもしてみたんですけど、やっぱりコレがいちばんハマッてるから、それでいいのかな?みたいな。俺が書く歌詞には恋愛モノとか愛だの恋だのっていうのは少ないと思うんです、SIAM SHADEの頃から。
ーーかもしれない。
栄喜:だから、スゴく久しぶりに“こういうもの”を書いた気がして。
ーーでも、この曲の雰囲気はスゴく栄喜さんの歌や声質にいちばんハマッてる気がしますよ。しかも1曲目だからCDプレイヤーで流した時、“わ〜! キた! コレコレ!”と思うんじゃないか、と。
栄喜:ですかね? 
ーーきっと、こういうテイストの音楽を栄喜さんに求めていた人は多いんじゃないかと。そして2曲目「Love Passion」。この切ない感じも栄喜さんの持ち味のひとつかな、と思ってまして。
栄喜:これは作った時期が違うんです。「Love Passion」「明日が見えずに」は元気なアルバムを作るぞ!って作った10曲じゃないんですよ。YouTubeラジオでも話しましたけど、降って湧いたように『栄喜e.p.』を出すことになって“アルバムから2曲、あとは別の感じの2曲が欲しい”って言われて曲のストックの中から探して持って行ったんです。とはいえ、こういう(切ない感じの)曲はあんまり作っていなかったからストック自体、少ないんです。ただ、こういう曲は絶対作ったな、という記憶だけは確かにあって。2日くらいかけて外付けのハードディスクを1つ1つ探していったんですけど……ないんですよ。
ーーえっ!?
栄喜:探しても探してもないんです、どこにも。“ダメだ、どこにもないや…”と半ば諦めて、なんとなく覚えてるサビの部分を手がかりに、また1から作り直すか!と覚悟を決めてとりかかろうとした時、俺、ふと思い出したんです。
ーー曲を? どのハードディスクに保存しているかを?
栄喜:この曲をある関係者に試聴してもらってたことを。もう即効、電話して確認したら“その曲のデータ、持ってるよ”と。“やったー! あったー!”って喜んで、すぐに送ってもらって(笑)。それが「Love Passion」なんですね。ま、この曲だけじゃなくて今も見つかったら嬉しいなって曲が3曲くらいあるんですけど…。
ーーせっかく作ったのに、それが行方不明になるのは悲しすぎます。
栄喜:曲のイメージは覚えてるんですよ、こういう曲あった、ああいう曲あった、こういう悲しげで良いメロディーの曲があったとか。ただ探すのも大変なんです、ハードディスクが15台くらいありますから(笑)。
ーー15台!!
栄喜:なので今回のことを教訓に、どんな曲を書いたのか? BPM(テンポ)やコード進行とかをノートにできるだけ細かく書き留めるようにして、自分で見つけやすいように整理したんですけど…改めて見るとね、ノートに書いた俺の字が読めないんですよ(笑)。
ーーそれは知りません(笑)。
栄喜:ホントに(笑)。ま、何も書いてないよりかは手がかりになるんですけど。で、話を戻すと「Love Passion」は4曲のバランスをとって入れた感じですね。明るいのもあれば、こういう感じのもある、と。
ーーはい。3曲目の「ベロベロバー」は先にライヴで演奏してますよね。確か歌う前に“原発反対をテーマに作った”とおっしゃっていたような記憶が…。
栄喜:そうです。ホント、これを作ってる頃、俺も反原発デモに参加したいくらいでしたから。あれに限らず、日本の政治はダメですね。なんか…情けないです。見え見えじゃないですか、策士の裏事情が。原発のことでいえば自分の失敗を税金や電気料値上げでなんとかしようとしているし。そんなの絶対、納得できないじゃないですか? 筋が通ってないじゃないですか? どう考えても。
ーーホントですよね。
栄喜:なんでみんな、もっとムカつかないのかな?って思いますよ。
ーー確かに日本人は心の中で不満に思っていても、声をあげたりしない国民性かも。
栄喜:俺ね、そういうものに対してはSIAM SHADEの頃から書いてるんです。「No!Marionette」って曲があるでしょ? あれも高速道路を30年後にタダにするって言っておきながら、未だタダにしてない国と闘っている和田さんっていう人のドキュメンタリー番組を見て、掩護射撃するしかないなと思って作った曲なんです。俺はね、そういうことに対して許せないんですよ。約束は守ってもらわないと。筋が通ってないことに関しては、もっとみんなもNo!と言うべきですよ。そういう気持ちを歌詞に託してます。
ーーその真っ直ぐさは栄喜さんらしいです。そしてCDラストの「明日が見えずに」。これはウエヴ・サイトなどにアップされてる親友の死のことなのかな、と…。
栄喜:そうですね。残念でしたね…。あの時は、これは世間でいう鬱の状態だなと思うくらい落ち込んでて。そんなものに自分が絶対なるわけない、自分が鬱だと認めたくない、と思っても、ずっとため息ばかりついてたし。ちょっとした言葉がテレビでから流れてきただけで、ポンと引き戻されて考え込んでしまって、気が付けば半日くらい経っちゃってる、みたいな辛い時期があったんです。やっぱりショックは…大きかったかな…。
ーーうん…。
栄喜:なんていうか…その子が出しているSOSを受け止められなかった自分が悔しくて。けれど、考えて考えて考えた末、その子はソレをよしとしてそうしたわけだから、ソレを受け入れるしかないかなって気持ちに変わりましたね。で、「明日が見えずに」は自分がどん底の時、書いた歌詞なんです。だから言葉は前向きなんですけど、自分で書いておきながらクエスチョンがついてる箇所も歌詞にはあるんです。
ーー表現も露骨ですよね。♪大切な人が突然いなくなり 大切な思い出は突然に痛くなり♪とか。
栄喜:ストレートですよ、ボカしてもしょうがないし。もしかして、発売するんであれば、ホントはもっとボカした表現でもよかったのかもしれない。けれど、その時に書いた気持ち、想いは時間が過ぎてからでは書き直せないのかなって思うし、言葉を替えて活字でボカしちゃうのも真実じゃない感じがして、今回はそのままにしました。けど、こういうことって、聴いてる人にもどっかしら当てはまる部分はあるのかもしれないと思うんですね。生きている以上、死というものは、誰も絶対に避けては通れないじゃないですか。
ーーええ。
栄喜:俺、思うんですよ。どんなに仲の良い夫婦でも、どんなに大切な彼女とでも、いつか必ず別れはやってくる。人間、一緒に死ぬことはできないから。だとしたら、そんなに孤独を恐れていてもしょうがないかなって思うし。どんな人でも、人生のトンネルだな、って感じる時期はあると思うんです。真っ暗なトンネル中、どこに抜け道があるか?は生きてみなければ解らない。人生、どこで楽しくなるか?解らないから、とにかく生き抜く、死ぬまで生きるしかないと思うんです。みんなにも生き抜いてもらいたいなっていう気持ちがいちばんにありますよね、この曲には。
ーーそういった悲しい出来事があって、闇の中で彷徨っていた栄喜さんを救ったのが音だった、というのは、いかにもミュージシャンらしいというか。“1日1曲作る”という目標を課して、ずっとストイックに音と向かい合っていたからこそ、音の響きが暗闇から抜け出すきっかけになったんじゃないかな?と思うんです。“1日1曲”の話はレコーディングに参加されてるベーシスト・人時さんから聞いた話なんですけど。
栄喜:ああ、でもホントそうですね。ホント、あらためてスゴいなって思いました、音楽が持つパワーって。

<Interview:Kimico Masubuchi>

           *                 *


 『栄喜e.p.』発売後の12月、“栄喜e.p.TOUR 〜Start〜”が敢行される。真っ直ぐな栄喜の思いを、ダイレクトに真っ正面から受け止められる空間で、音楽のパワーをぜひ体感していただきたい。
 詳しくは[HIDEKI on WEB“栄喜公式”]にて。

【 栄喜公式 → http://www.hidekixxxrock.com/ 】



インタビュー【K-A-Z 1st Solo Al『attacK-A-Zenith』】

K-A-Z_A写

K-A-Zジャケット


ギター歴20数年にして、
ようやく完成した1stソロ・アルバム『attacK-A-Zenith』。
自分のギター・インストゥルメンタル・アルバムを作ることは、
ギターを手にした時からの夢だったという。
実現までに長い年月がかかったものの、
これまでの様々なジャンル、いろんな時代を経たK-A-Zだからこそ
表現できた新たなサウンド。
いわば、この1枚はギタリスト“K-A-Z”の集大成なのである。
リリースから時間は経ってしまったが、
11月27日に42回目の誕生日を迎えるK-A-Zの
“誕生日記念インタビュー”と題して取材を敢行。
『attacK-A-Zenith』についてはもちろん、
K-A-Zのギタリスト人生について話を訊いた。


           *                 *

ーー今年6月に発売された1stソロ・アルバム『attacK-A-Zenith』についてのお話を伺わせてください。というか、タイミングが遅くなってしまってすみません(苦笑)。
K-A-Z:ひっそりと出していたからね(笑)。
ーーでも存在は目立ちますから(笑)。しかし、K-A-Zさんのキャリアをもって、これが1stソロ・アルバムなんですね。ちょっと意外。
K-A-Z:そう(笑)。なんだろう…なんか俺の場合、いろんなことを常にやっていたから、なかなか時間がなかったというか。時間は自分で作れるものなんだけど、他の活動が忙しかったりとかすると、どうしても先送りになってしまって。逆に時間をかけたほうがいいのかな?と思っていたのもあってさ。だから、構想自体はギターを始めたくらいからあったんだ。ギター・ソロのアルバムを作りたいって。
ーーってことは構想20何年?
K-A-Z:構想20ウン年(笑)。ザックリとしたところで話すと、ガキの頃、ギターを始めるじゃない。そうすると、いろんなギタリストのフレーズをコピーして自分のスキルを挙げていくでしょ。あの時ってギター・プレイを習得するっていう部分においては今より貪欲だったのね。そういうところで、ギターのインスト(インストゥルメンタル、以下同様)がいちばんの教科書だった、じゃないんだけど、頭からケツまでギターのスゴいプレイがぎっちり詰まっている作品とかを聴くと、やっぱりスゴいなと思っていたよね。歌モノのバンドだとギターのリフがあってバッキングがあって、見せ場のギター・ソロがあってっていう形式だから、ソロで瞬間的に熱さを感じてカッコいいとは思ってたけど、インストの場合は頭からケツまでギター・プレイが熱いっていうのかな。そういうアルバムを聴いているのがスゴく好きだったし、ギターのインスト・アルバムがスゴい好きだったんだよね。
ーー例えば、イングヴェイ・マルムスティーンとか?
K-A-Z:イングヴェイはもちろん、あの辺のギタリストのソロ・アルバムは全部通った。
ーーまた、あの当時('80年代)、テクニカルなギタリストのインス・アルバムが注目されてましたよね。
K-A-Z:そうそう。俺がギターを始めた時代が、たまたま面白かったのかもしれない。例えば今、俺が高校生だったとしたら、たぶん、ソロを突き詰める方向へ興味はいってないよね、絶対に。俺が高校生だった'80年代とかは、それが全盛期だったし、どの雑誌でもスーパー・ギタリストを取り上げていていたんだ。毎月出る雑誌や音楽番組とかに出てくるギタリストが、ある意味、ガキの頃でいうところのウルトラマンみたいに見えたの。それが悪役なのかもしれないけど(笑)、まるでヒーローを見ているみたいに次の号、次の番組ではどんなギタリストが出てくるんだろう?とワクワクしてたっていう。おっしゃるとおり“あの当時”っていうのがテクニカル系のギタリストが全盛期だったから“今回の番組にスゴい早弾きのヤツが出てきた。誰だ? イングヴェイだ! ぅわースゲー!!”みたいな感じだったし、“ライト・ハンド奏法とかタッピングがスゴい人がいるらしい”って雑誌やテレビで知ったのがエディ(=エドワード・ヴァン・ヘイレン、通称:エディ・ヴァン・ヘイレン)で、その後に出てきたのがスティーヴ・ヴァイだったりして。とにかく、いろんな個性のギタリストがわんさかわんさか出てきたからシーン自体も楽しかったし、思春期の俺は夢中になれたんだよね。で、スゲーギタリストが出てきたら、奏法を雑誌で見て家で練習したり。もちろん、バンドに属しているギタリストの、バンドでのプレーも好きなんだけど、ソロ・アルバムを聴くのがスゴく楽しみだったの。“アイツ、あんだけバンドで弾きまくっていろんなアイディア出してるなら、ソロ・アルバムでは、どんなことやっちゃうんだろう?”みたいな(笑)。
ーーはいはい(笑)。
K-A-Z:そういうのを追いかけていたから、俺もいつかはギターでソロ・アルバム、インスト・アルバムを作りたいなって思ってた。また、そういうのが出せるくらいのスキルを早く身につけたいな、とも思って練習したし。いつか夢を叶えたい…と思って20ウン年経っちゃった(笑)。
ーー確かK-A-Zさんがギターを始めたのって14歳ですよね?
K-A-Z:14歳、中学校3年生かな。
ーー最初からエレキ?
K-A-Z:エレキだったね。当時の俺は洋楽を好んで聴いていて、あんまり日本の音楽は興味がなかったんだ。とにかく海外アーティストってカッコいいなっていうのが強かったっていうのかな。ジャンル分けなんて解らなかったから、これは激しい感じだけどカッコいいな、とか、ポップだけど面白いな、とか。その中にスコーピオンズ、マイケル・シェンカーなんかがいて。そんな俺と同じような感覚の友達がいて、ソイツが中2の時にはギターを始めていたの。でもね、俺は全然興味なかったから“へぇ〜、ギター始めたんだ”くらいの感じだったんだ。で、ある時、ソイツが“貸しレコード屋に行くんだけど一緒に行かない?”って声をかけてきて。“あ、いいね。俺も借りたいのがあったんだ”なんて言って、いろいろレコードを借りて“オマエが借りたのを俺にも聴かせてよ”と帰りにソイツの家へ寄ったの。そこで、友達が借りたマイケル・シェンカーを聴いたのかな。しかもソイツはそのレコードに合わせてギターを弾き始めてさ。それを見てカッコいいな!って思っちゃって。マイケル・シェンカーのギターがカッコいいというより、目の前でギターを弾いてる友達をカッコいいと思ったんだよね(笑)。
ーーお友達は中2にしてテクニカルなギターが弾けたんですか?
K-A-Z:彼はギターを習っていたからね。またソイツがクラスでは普通のヤツだったの(笑)。だけどギターを弾いてる姿は神々しく見えたっていうのかな。と同時に、俺が弾いたらもっとカッコいいのになって思って(笑)。
ーー(笑)。
K-A-Z:っていう、スゴい不純な動機なんだけどね、俺がギターを始めたのは(笑)。
ーー(笑)。K-A-Zさんて、こんだけ身長が高いとスポーツの道でも歩んでいけそうですけど。
K-A-Z:小学校から地元の少年野球チームに入っていて、中学校へ入って野球をやってたんだけど、全部投げ出しちゃった、ギターに出逢った瞬間に。野球なんて危ない危ない、指を怪我しちゃう!って思ってすぐ野球を放りだした(笑)。もうね、興味のすべてがコロッと変わっちゃったんだ。それでギターを買うために中3になる前の春休み、実家がやってる工場で時給350円くらいでアルバイトして(笑)。やっとの思いで手にした3万2000円を握りしめて楽器屋へギターを買いに行ったのね。
ーー当時、ギターをケースに入れないで持ち歩いていたとか。
K-A-Z:そう、ギターはオマケしてもらって3万円、ソフト・ケースが5000円だか3000円だかで買えなくて、段ボールに入れて持って帰ってきた(笑)。今みたいに1万円で初心者セット一式が買えるような時代じゃなかったし、当然、ストラップもないからビニール紐を何重にもしてストラップ代わりにして肩から掛けて“ぉおおおおお〜!!”なんて感動したりして(笑)。ディストーションもアンプもないから強引にラジカセのマイクの穴にシールドを突っ込んで、ペコペコペコペコ、一所懸命弾いていたね。で、ギター教室に通ってた友達が結構上手かったから、ソイツの家へ通って教えてもらってた。ソイツの家がウチから自転車で2、3分の所だったから、自転車に乗って、裸のままのギターを“ビニール紐ストラップ”で背負って。時々、ビニール紐のストラップが切れてギターが落下した、なんてこともあったけど(笑)。そんなギター人生のスタートだったよ。
ーー人に歴史ありですね(笑)。その当時から作りたかったものが、ようやく出来たってことですね。
K-A-Z:うん、そうだね。高校卒業してからバンドを始めたりとか、解散したりとか、何度もしてるけど。
ーーその中のひとつ、Bump'n Grindを見てるんですよ、実は(笑)。
K-A-Z:マジで? それ貴重だな(笑)。
ーー他にもTWINZERとか何やかんや見てますよ、業界長いもんで(笑)。
K-A-Z:そっかそっか(笑)。Bump'n Grindをやってる時とかもインストのアルバムを出したいとは常に思ってたしね。Bump'n Grindのアルバムの中にもインストの曲を入れたりとかしてたし。そうやって少しずつ出してはいたし、これまでにも出すタイミングは何度もあったんだろうけど、なんか出してなくて。今年1月、黒夢のサポートが終わってスケジュールが空いたり、その後、DETROXが止まったりしたから、作るなら今のタイミングかな、と。今まで貯めていた曲を一気に仕上げちゃおうかな?って。ただ出たとこ勝負、計画性ゼロだったからノン・プロモーション(笑)。
ーーそうでしたか(笑)。話を横道に逸らしちゃいましたけど(笑)、本作『attacK-A-Zeus』を聴いたら、ワイルドで攻撃的なオフィシャル・イメージからは想像できないような繊細で綺麗な曲が入っていて驚いたんですよね。例えば「Send A Prayer」とか。
K-A-Z:なるほどね、そうかもしれない。やっぱりギター・バラードは入れたかったから、絶対に。
ーー思えば昔のメタルのアルバムには必ずバラード入ってましたよね。それがまた良い曲だったりして。
K-A-Z:だね。俺が敬愛してるスティーヴ・ヴァイの作品に「For The Love Of God」っていうギター・バラードがあるんだけど、俺はその曲が好きすぎて、右腕に曲タイトルをタトゥーで入れてるの(笑)。
ーー(笑)。
K-A-Z:それくらい好き(笑)。その曲を聴いた時に、もう心を鷲掴みにされたっていうか、ノックアウトされたっていうか。体中に電気が走ったみたいな、ものスゴい衝撃を受けたのね。で、今回のアルバムを作る時、俺の作品においての「For The Love Of God」みたいな曲を作りたい、そういう曲をソロ・アルバムには絶対に入れたいって自分の中で決めていて。それが「Send A Prayer」。決め打ちと言えばそこだけだったかもしれない。あとの曲は、自分の中から出てきたメロディーをどんどんギターで入れていっただけなんで。俺がいろんなところで携わってきたヘヴィー系の人たち、ラウド系の人たちだったりは、あんまりギター・ソロを弾かなかったのね。基本的にはバッキングのみ。Kornなんかにしてもギター・ソロなんてないしさ。
ーーうんうん。
K-A-Z:やっぱ、そういうのに影響されてる周りの連中は、あんまりギター・ソロとか弾かないんだ。バリバリにゴツいバッキングなんだけどね。逆にテクニカル系の人たちっていうのはバッキングはそんなに重くなかったりする。で、どっちの音楽も俺は通ってきたから、その両方をミックスしたソロ作品を作りたいなっていう気持ちが出てきて。ヘヴィーなバッキングなんだけど、ソロではテクニカルなことをやるっていうような。そういうことをやってるヤツ、あんまりいねぇなっていうことにも気づいてさ。周りのみんなに話したら“あ、そういうアルバムって確かにないよね”って言われて。やっぱラウド系の人はソロを弾きたがらないし、実際、ラウド系のバンドをサポートしてた時なんて、ギター・ソロはなかったからね。ソロを弾いてない時期とかあったからさ、この俺にも。
ーーへぇ、そうなんですね。
K-A-Z:その頃、'90年代の終わりから2000年初頭は、ギター・ソロを弾くのはあんまりカッコよくないと言われていた時代だったし。
ーー古くさい、とか言われて。
K-A-Z:そうそう。俺もその時代は別にソロと弾かなくていいやって思っていたの、その前まで散々弾いていたくせに(笑)。間奏の部分でもギター・ソロじゃなくてバッキングでどこまでカッコよくできるか?っていうのに燃えていたんだ。DETROXでもギター・ソロとかほとんど入ってないし、当時の栄喜も“ソロとか弾かなくても全然いいっすよね”みたいな感じだったし。それがだんだん2010年に近づくにつれて、世の中のラウドな音楽におけるギター・ソロの定義みたいなのが、だんだん変わってきたっていうのかな。そういう流れがあった中で、ラウドな音にギター・ソロをどう絡ませたら面白いかな?っていうことを試し始めたのね。いってしまえば、ギターをやり出した頃に憧れたスーパー・ギタリストのサウンド、その後のラウド連中の音、2つの時代がミックスしたものなの、『attacK-A-Zenith』は。自分のギター歴史の前半で覚えたギター・テクニック、後半で覚えたバッキング・テクニックがミックスされてるっていう。
ーーそう考えると、思い立ってからずいぶん時間は経ってしまったけれど、もしかしたらギター・ソロ・アルバムを出すのは今だったのかも。
K-A-Z:今、出したから面白いのかもしれないね。これがDETROX始めた頃に作ったものだったらソロなんて弾いてないと思うしね。ひょっとしたらバッキング・アルバムなんていうワケわからないアルバムになってたかもしれない(笑)。
ーー(笑)。ヘヴィーな部分もありつつ、メロディーはちゃんと唄ってますよね。ただ、肉声と違ってギターという楽器のフィルターを通して感情を表現するには…よっぽど想いを込めて弾いてらっしゃるのかな?と。
K-A-Z:“よっぽどの”想いで弾いてるね(笑)。さっきも話したけど例えば「Send A Prayer」なんかは、自分にとってスティーヴ・ヴァイの「For The Love Of God」みたいなものにしたい、と思ったから、あの曲に関してはゴツいバッキングを入れようとか、そういう発想もなかったし。コレはコレなんだっていう感じ。使ってる音色も実はアノ曲だけ違うから。他の曲ではヘヴィーなバッキングを絶対に入れてるけれど。
ーー繊細ですもんね、「Send A Prayer」は。
K-A-Z:そうだね。
ーー音色に関してはギターを1曲ずつ持ち替えるくらいの拘り方?
K-A-Z:いや、意外にそうでもない。バッキングはこのギター、ソロはこのギターって決めてやっていたよ。あとはアクセントで鳴りの違うギターでちょっと弾こうか、とか。だから基本のラインは一緒。今回、何がいちばん大変だったのかをいえばミックスだったかな。今まで、いろんなレコーディング現場で弾いてきているけど、そこでは自分がギターを弾いておしまいだったからね。あとはエンジニアさんにお任せして、大方仕上がったものを聴きに行って“ここはもうちょっとこうして”って言うくらいじゃない。
ーーですよね。
K-A-Z:それが今回はミックスも自分でやったもんだから、まー悩んだね(苦笑)。ある程度、良い感じでバランスとって出来上がって“よし、これいいかも”と思ってその日は寝ちゃうでしょ。次の日の朝起きて聴くと“ちょっとイマイチだな”って思って、そこから1日かけて音の微調整をやって“これで完璧!”と思うんだけど、一晩寝るとまた“あれ?”っていうのの繰り返し(笑)。もうラビリンスに入ってしまって…。ま、でも今回、1枚のアルバムを作ったことによって、わかったことも多かったし、それを踏まえて次の作品は、すぐに出来るなって(笑)。既に2枚目も作り始めているんで。
ーー早い!!
K-A-Z:だんだんライフ・ワークになってきてるのかなって思うよ、自分でも。今までは、時間がたっぷりないとソロ・アルバムは出来ない、と敬遠していたけれど、いざ作ってみたら案外出来るじゃん!って。あとは楽曲のクオリティーをどれだけ上げられるか?ってことが課題といえば課題かな。
ーーそういう意味でもK-A-Zさんにとって『attacK-A-Zenith』は大きな意味のある作品といえそうですね。
K-A-Z:そうだね。とにかくラウドの連中からは“バッキングがスゴいっスね”って思われたかったし、ギタリストからは“スッゲー、テクニカルなプレイしてますね”って言われたかったから。その両方の音楽畑の連中を納得させたいなっていう想いは強かったね、『attacK-A-Zenith』は。
ーータイトルのように作品の中心に、2つの音楽シーンで活躍されてる“K-A-Z”さんの存在がみえる1枚になってると思います。
K-A-Z:アルバム・タイトルは番号にしようかと思ってた(笑)。だってさ、作詞もやったことない人間がタイトルを付けるんだから、それはもう一苦労だよ(笑)。ま、でもせっかく付けるなら何か意味を持たせたいなっていうのはあったし、“K-A-Z”を使える単語が何かないかな?と辞書を調べて。やっとの思いで単語を見つけて、付けたタイトルが『attacK-A-Zenith』。意味的には“頂点に攻撃!”みたいな感じかな。つまり、ヒット・チャートの上のほうにいる歌モノをやってる連中に攻撃しようぜ!っていう(笑)。いってしまえばインストなんて歌モノに対するアンチじゃない。そのアンチな感じに俺らしい攻撃性が出ているかな、と(笑)。このタイトルは俺がインスト・アルバムを作る上で、ずっと使っていくかもしれないね。次は『attacK-A-Zenith II』みたいな(笑)。
ーー次のカッコいい作品も楽しみにしています。
K-A-Z:任せなさい(笑)。


<Interview:Kimico Masubuchi>

☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆

【 K-A-Z W-E-B → http://www.h4.dion.ne.jp/~k-a-z/  】

※『attacK-A-Zenith』購入はコチラまで→【 http://k-a-z.storedx.net/ 】
 

インタビュー【花少年バディーズ 1st Full Al『Bible』】2/2

baddies15A_light


前半戦より。


M8「Blue Bad Boy」(1st シングル収録曲)
ーー思えば花少年バディーズの始まりの曲ですね。
ミネ:いまだにライヴでは重要なポジションを担ってますよ。実は、この曲だけは録り直さないでおこうって話が最初はあったんです。いちばん最初のシングルとして録ってるからサウンドも青臭いんですけど、むしろ、それがこの曲にとってはベストなんじゃないの?っていう意見があったので。ただ、並べてみると音質も良くないし…その辺は葛藤でしたね。ま、録り直さないで楽してるなって思われるのも嫌だったし(笑)。
:俺も録り直すって割り切って歌い直しました。絶対に3年半前の歌い方は出来ないから。活動休止した後、花少年バディーズの第2幕の貘として、新鮮な気持ちでもう1回「Blue Bad Boy」を演じてみようと思って挑みましたね。
琢磨:俺はやっぱこの曲は録り直したかった派なんですけどーー。
ミネ:下手くそだったからな(笑)。
琢磨:そうそう、それが最大の理由(笑)。ただ気持ち的には青臭い部分は残さないといけないなっていうのはありましたよ。
ツブク:僕は録り直したいというより、当時は5弦ベース使っていて今は4弦に持ち替えてアレンジも変えているので、今の形に直したいって気持ちでしたね。
広志:僕も録り直したい派だったんですよね、当時の気持ちはそのまんまでいいんですけど、どうしてもドラムの音が気になっちゃって。あれから機材も一新したし。今回は納得した音で録れてます。
ーー…ってことは結果的に録り直してよかった。
ミネ:もちろんそうですよ。よくなかったら、ダメでじゃないですか(笑)、録り直した以上は。

M9「バレリーナ」(4th シングル収録曲)
ーー改めて聴くとオリエンタルな雰囲気のオープニング、その辺も後期ビートルズに近いのかしら?
ミネ:確かに。この曲は当時から、わりと完成形になってましたね。だから録り直すに当たって、何に気を付けたっけ?
:俺は符割りの微調整くらいかな。
ミネ:あとは、どの曲のリテイクにも言えることですけど、良い音でってことですか。当時では気づけなかった細かいフレーズ、弾き方なんかを整理して、よりダイナミックにっていう。あとは小ネタを少々盛り込んで(笑)。
広志:やってはみたものの、ボツになったのもありつつ(笑)。
ミネ:実はこの「バレリーナ」、シングルを引っ提げてのツアーでは、あまりピンときてもらえなかったんですよ。シングルらしくなかったというわけでもないんでしょうけど、3rdシングル「乙女桜」、1stミニ・アルバム『Balloon』に続いた作品ってことで、『Balloon』の印象が強く残ってたせいなのか、本来主役であるべき「バレリーナ」が主役になれなかったんです。でも、ライヴを重ねるに連れて、ライヴ後半の盛り上がりにスゴく必要な曲になっていって。だから、このアルバムでこの場所に入れたのは、後半の火付けになってもらおうっていう意図があったんですね。「バレリーナ」からの後半、さらに盛り上がっていこうぜ!っていう。ここに置いたことで、もしかしたらシングルの時より存在感出てるかもしれないなって思います。

M10「落陽」
ーー「落陽」は、どのDVDにも収録されてますよね。それだけ大事な曲ってことですか?
ミネ:スゴい重要な曲ですね。オムニバス・アルバムに入ってた曲なんですけど。この曲は、故郷にいた頃の自分を振り返る郷愁の歌。夢を求めて上京して大人になって初めて気づく田舎の大事さとか、両親の優しさとかを振り返りつつ、明日からも進んでいこうねっていうメッセージ・ソングなんですね。心がちょっと温まる、誰もが泣ける曲なんじゃないかな、と。曲調は、またビートルズを引き合いに出しちゃいますが、「ストロベリーフィールズ」的な感触を味わってもらえたらいいかなって。元々はギター・ロックでしたけど、今回リアレンジしてピアノ曲になりました。
ツブク:ライヴを重ねてきて、音の引き算を重ねるようになりましたね、特に「落陽」では。それまでは音で隙間を埋める方向でしか考えてなかったんですけど。ミネくんがいうように、故郷の景色を思い浮かべた時、僕は景色のパーツでいえば大地の役に徹しよう、と思ったんです。それぞれが景色の1つ1つのパーツになって、故郷の景色が描ければいいな、と。
広志:僕はツブクとは逆で、手数を増やして曲の抑揚をつけようと思いました。その辺が今回のテイクではより明確になったんじゃないかなって思います。
琢磨:今回の大きな違いといえばピアノが入ったこと、それに合わせてバランスよくアコギを入れたことですか。アルペジオを以前より多用したことで、より景色が見えやすくなったかなという感じはありますね。
:生まれ育った街を思い描いて歌ったことは前回と変わってないですけど、生まれた街が久しぶりに帰ると変わっているように、そこでいろいろ思うところもあって、そんな気持ちを新たに歌に込めてますね。実はこの曲、花少年バディーズ、いやビリーを組むずっと前、ミネくんが10代の頃から温めてきた曲なんですね。だから僕じゃない人が歌ってるヴァージョンも過去に聴いたりもしていて。
ミネ:当時組んでたバンドのヴォーカルもお気に入りだった。
:ま、その曲を自分が歌えるんだ、という喜びが大きかったことを思い出して初心に返って歌いました。前任者の熱い想いを受け継ぎつつ、歌わせてもらったのは嬉しかったですね、大好きな曲なので。いろんな意味で、今回のアルバムにはふさわしい1曲なんじゃないかな、と。

M11「Bicycle」(6th シングル収録曲)
ーーシングルとの違いはどの辺ですか?
ミネ:マスタリングですね。ちょっと方向性を変えて音の濃淡をハッキリさせたんです。シングルでは歌メインでおとなしめだったんですけど、アルバム・ヴァージョンではバンド・サウンドを強調したっていう感じですか。
ーーまたアルバムのココに入ることで、男女の恋模様が見えてきますね。この2人はヨリを戻して元サヤなのかな?とか。
:元サヤって古っ!(笑)
ツブク:死語ですよ(笑)。
ーーあら(笑)。
ミネ:実は俺としては「落陽」から「Bicycle」のイントロへ入る感じがいいかな?と思って並べただけなんですけどね。
ツブク:でも、アルバムでは曲の持っているパワーがシングルの時よりさらに引き出されてるとは思います、言われてみれば。
琢磨:ココに「Bicycle」があることでアルバムが締まるなって思いますし。
広志:より魅力が引き出されたっていうんですか。
:それに、この曲はライヴで演奏していく中で出来上がっていった感じもするし。みんなに愛される曲になったなって実感してます。

M12「カメリアサブマリン」
ーータイトルが面白いなって思ったんですよね。
ミネ:前身バンド、ビリーの時に出した2枚のアルバムのラストが、それぞれ「ローズヘリコプター」「サンフラワータンク」という曲だったんです。花の名前と乗り物の名前を組み合わせて、カタカナにすると9文字っていう。それで、今回は「カメリアサブマリン」にしてみた、と。
ーーああ、そういうことでしたか。
ミネ:という甘っちょろい考え方をしていたんですよね…花少年バディーズの1枚目のフル・アルバムはビリーから数えて3枚目のアルバムだ、みたいな。甘っちょろい考え方というのは変かな…どっかしらビリーに依存していた部分があって。俺らの中では“ビリーから続いてるんだよ”って意識が強かったんです、この曲を作った当時は。もちろん、今もビリーと切り離して考えてはいないんですけど、バディーズはバディーズっていう感覚も強くなってきてはいて。ま、テーマ的には面白いから、乗り物も陸海空と揃えるなら、今度は海の乗り物“サブマリン”かなって。
ーー“カメリア”は? 花言葉も意識しつつ選んだんですか?
ミネ:ですね。何にしようかな?と思って。「gdgd」に出てくる“紅葉”とか「乙女桜」の“桜”とかも花言葉の意味を込めていたりするんです、実は。で、“カメリア”の花言葉には“高潔な理性、誇り、貴方を愛することを誇りに思う”というのがあって、その辺を描いてみたいな、と。この曲は「Bible」と共通してるんですよ、2人で未来へ進むというテーマの部分では。ただ「Bible」はドリーミー、「カメリアサブアマリン」はシビアっていうんですか。“だけど2人で生きていかなければいけない”というか、“2人なら生きていける”という意志の強さがメッセージに込められたんじゃないかな、と思うんです。
ーーうーん、深いですね。
ミネ:ここは深くていいと思います。なぜなら“サブマリン”(潜水艦)だから。
一同:おぉ〜!
ミネ:な〜んつって(笑)。
ーープレイ面ではどうですか?
ツブク:このレコーディングでは、いちばん納得のいくベースが弾けたんですね。レコーディングの中盤だったんですけど、他の曲に比べてすんなりフレーズが出てきたし、音の方向が自分の中でイメージできたんで。スゴく気に入ってます。
広志:ドラムは、このアルバムの中で、いちばん深いスネアの音なんです。正にサブマリンな感じ。
ミネ:だから俺に被せてくるなって(笑)。
琢磨:ギターでは今回、ボトルネック奏法に挑戦してみました。大変であり楽しかったかなっていう。新たな経験がまたひとつできたのはスゴくよかったし。これからもレコーディングのたびに新しい挑戦をしていきたいなって思えるギター・レックでしたね。
ミネ:そこの面白さってありますよ、レコーディングには。それはライヴでも一緒だけど。ライヴやレコーディングとかの目標に向かって本気で練習して得られる達成感や喜びは、バンドの醍醐味だと思うんです。やっぱりいいよね、モノを作るって。
琢磨:うん。
ーー歌はどうでしたか?
:うーんと、基本的なところで、まずブレスの位置を気を付けましたね。
ーー水の中に潜ってるサブマリンなだけに。
ミネ:水の中での息継ぎは難しいからね。
:まだ引っ張りますか(笑)。ま、それはおいといたとして、Aメロの語呂の良さを出したいな、とか、歌詞をどう聴かせるか?っていうのをいちばんに考えて。正直、理解には苦戦したんですけど、“歌い上げるほどカッコいいよね”っていうミネから送られてきたメールの文章のまんま歌って。結果、自分の良いところが詰め込むことができたと思いますね。
ミネ:さっきの話じゃないけれど、人間、生きるほど、年をとるごとに息継ぎするのが難しくなるじゃないですか?
ーーかもしれない。
ミネ:それは恋愛でも同じで、長くなればなるほど息継ぎが難しくなると思うんです。それでも、2人で生きていくことを選んで、それを誇りとしてちゃんと胸に抱いていけば強く生きていけるんじゃないかな?と。
ーーむむむ、深いなぁ。
ミネ:重く深い曲だと思いますよ、この曲は。人生の重さがズン!ってのしかかってる曲じゃないか、と。この1枚のアルバムはメンバーの歩みでもあると思うんですよ。まだまだ若造ですけど、人生を歩いてきている僕たちが、ひととおり経験したことが、それぞれの曲の背景にはあって。そういう曲が並ぶ中で「カメリアサブマリン」は今の自分たちだと思うんです。なんだか深いところに来ちゃったな、この息苦しさをどこまで受け止められるかな?っていう。と同時に、こういう人生を選んだことに誇りをもって水面に浮かび上がろうって想いもあるし。というか、自分が選択したことを誇りに思わないと浮かび上がることはできないから……うん。沈んでいくわけにはいかないですからね。

          *        *

ーー聴き応えのある重厚な作品になりましたね。きっと、この『Bible』に、これから先、新たなページも加えられていくんでしょうし。
ミネ:そうでしょうね。でも……馬鹿馬鹿しいアルバムを作りたいな、次は(笑)。
ーー(笑)。で、通常盤の13曲目には「クリスマスのココロ」が収録されている、と。この曲って、例えば連続ドラマの特番なんかで5年後を描いたような感じっていうか、あの2人のその後みたいに受け取れたんですよね。
ミネ:と思ってもらってもいいですし。これは『Balloon』に入っていた「ココロ」という曲の、歌詞とメロディーをとっかえて、アレンジも豪華にしてクリスマス・ヴァージョンにしたものなんですね。バディーズのクリスマス・ソングを作ってみようと思って。ま、何気ないカップルの何気ないクリスマスを描いてます、ちょっとツンデレも入りつつ(笑)。
琢磨:ギターはアコギの2重奏みたいにして面白い感じになってます。今回、楽器がグレード・アップしているし。でも聴き所といったら最後の合唱ですか。楽しいクリスマスのパーティー感が、みんなで歌ったことで出ているなって思うんですよね。
広志:「ココロ」とは別ものという気持ちで、シンバルの刻みや音作りもちょこちょこ変えてます。とても“ココロ”温まる仕上がりになったな、と。
一同:(スルー)
ツブク:で、ベースはアップライトを弾いてますね。前回の「ココロ」はエレキだったので変化を出したかったのと、より人間ぽい温かみのある音が必要なんだろうなって思ったので。やっぱりフレットがないほうが、弦のスライドひとつでもニュアンスが出やすいので、温かい印象にになったと思います。
:ま、この歌に関しては深く話すより、タイトルそのまま受け取ってもらえればいいかなって。やっぱり経験を元にしないと歌えないですよ。歌詞のような経験がなかったとしても、自分が思い描いた理想のクリスマスや、こんなことしてあげたかったのにできなかったな、という苦い想い出だったりは背景にはあって。クリスマス・シーズンが来ると寂しいって感じる人もいるし、幸せだなって感じる人もいると思うんですけど、やっぱりクリスマスはクリスマスだからね。バディーズなりのクリスマス・ソングを聴いたら自然と優しくなれるんじゃないかなって。そうだったらいいな、って思いますよ。
ミネ:貘の言うとおり。そういう素直さはほしいよね、いくつになっても。
ーー…って自分に言ってます?
ミネ:自分に言ってますよ(笑)。こんなクリスマス、過ごしてみたいよね、逆にね。
ーークリスマスといえば、バンドマンは大概、ステージの上だし。
ミネ:それか、どいつとコソコソ過ごすのか?っていう問題もあるし(笑)。
ーーこらこら、見栄を張るんじゃない!(笑)
ミネ:だから歌詞の内容は等身大というより理想形(笑)。現実はそうはいかないなって(笑)。
ツブク:あんなクリスマスいいな〜っていう願望(笑)。
ーー(笑)。そして[単独公演ワーツー2012秋!!『Boys write Bible--Wow バイブル×彼女の履歴!-』]がいよいよスタートしますね。皆さんの3年半の集大成ともいえるツアーが。
ミネ:はい。「モトカレ」にひっかけて付けたツアー・タイトルです。ま、引っ張るのは好きなので(笑)。シツコイ!って言われるけど(笑)、これで一旦、整理できるかなって思います。
ーーいろいろとスッキリ綺麗にできそうですね。
ミネ:まずは電話の履歴を消さないと、綺麗にならないですけど(笑)。

<Interview:Kimico Masubuchi>

★〜★〜★〜★〜★〜★〜★

いかがでしたでしょうか。

いよいよ11月7日、ミネさんの誕生日から
[単独公演ワーツー2012秋!!『Boys write Bible--Wow バイブル×彼女の履歴!-』]
がスタートします!
ツアー日程や新譜に関する情報はオフィシャル・ウエヴ・サイトで確認してみてください♪

【 花少年バディーズ → http://baddies.jp/ 】


★花少年バディーズが全員集合=3★
■『Temo-Talk』とは手元を映しながらトークを展開するユル〜いトーク番組です■
※ですが! 今回は顔出しで全員のトークをアップします!!

『Temo-Talk』は333musicのYouTubeチャンネル【333music TV】でご覧ください。

【333music TV】
★PC →  http://www.youtube.com/333musicTV/
★mobile → http://m.youtube.com/333musicTV/





インタビュー【花少年バディーズ 1st Full Al『Bible』】1/2

baddies15A_light


花少年バディーズの1stフル・アルバム『Bible』が完成した。
バンド結成当時からアルバム・タイトルは発表されていたが、
我々の手元に届くまでに約3年半の月日が流れている。
けれど“こんなに待たせるなんて!”と怒るなかれ。
この長い月日があったからこそ、この1枚が出来上がったと思えるような、
濃厚で深い内容なのだから。
既存の曲も再録音してグレード・アップ。
そして、アルバムに組み込まれることで、
シングルやミニ・アルバムの形で聴いた時とは違った景色が見えてくる。
このアルバム『Bibel』は1本の連続ドラマのようであり、
彼らの3年半の歴史ともいえる大作である。
ということで『Bible』に収録された全13曲(通常盤)について、
メンバー全員に話を訊いた。


        *        *

M1「Bible」
ーータイトル曲を初っ端に持ってきた意図はありますか?
ミネ:決め打ちです。1曲目に「Bible」ってタイトル曲をもってこようかな、と考えて作った感じ。それこそ3年前から構想はあったので。
ーー曲の冒頭が、スタジオに入ってサウンド・チェックして今からみんなで音を出するぞ!っていう雰囲気じゃないですか。なんかキュン!ときますね、バンドやってた人なら、あの時の感覚が蘇るというか。これぞ青春!っていうのかなぁ。
ミネ:うん、バンドっていう青臭いものの始まりの雰囲気ですね。ま、バンドやっていこうってこと自体、青臭い話ですからね(笑)。
ーー(笑)。
ミネ:むしろ青臭くあるべきだと思うんですよ、ホントは。
琢磨:そうだねぇ。
ミネ:そんな商業的に考えることじゃないんですよ、バンドって。
ーーうん、そう思います。ではドラムのポイントから伺っていきましょうか。
広志:初めてデモを聴いた時、サビにグッときたので、細かいフレーズうんぬんより、サビに入る手前のフレーズで一気に感情移入するってところがドラムのポイントだったりしますね。
ミネ:いやー、俺からしてみたらさ、ソコじゃねぇな。やっぱり曲の冒頭の♪1、2、3、4、バーン!♪だよ。
広志:確かに。カウント入りっていうのは、ありそうで実はないし、ましてやスタジオの雰囲気の音からのカウントですから。
ミネ:いやー、そういうことじゃないよ。
ーーまたダメ出し?(笑)
一同:(笑)
:そこでもないんだね(笑)。
ミネ:カウントがあって、全員でダーン!って音を出した時の感動じゃん?
広志:初めてバンドの全員で音を出した時の気持ちだよね?
琢磨:って広志は言い直してるけど、ミネくんがさっき言ったことと同じだからね(笑)。
ミネ:初めて呼吸を合わせて音を出した“あの瞬間”だよ。
:…あれ、広志のコメントだよね?(笑)
ミネ:そうなんだけど(笑)、改めて仕上がったのを聴いていて思ったの。そういうことが表現できてるなって。
琢磨:確かに1発目のバーン!には感情は入りましたよね。全体的には曲に合ったクランチ・トーンのフレーズが弾けたかなっていうのは思います。ギターに関していうと繰り返しが少ないというか。Aメロが何回も繰り返されたりするんですけど、同じフレーズを弾くことがほとんどない、みたいな。そういうところで歌をバック・アップできたんじゃないかな?とは思いますね。
ツブク:僕もサビの♪未来へ! 未来へ!♪の繰り返しで伸ばしているところを、どうやったら飽きさせず最後まで聴かせられるのかな?って考えてダウン・ピッキングで弾いてます。そのほうが疾走感も出るし感情移入しやすいし。曲のパワーを最大限に出すにはダウン・ピッキングって大事だな、と改めて思ったレコーディングでした。
ーー今、話に出た♪未来へ! 未来へ!♪の部分はキュンとくるポイントでしたよ。
:バンド結成時の3年半前だったら♪未来へ!♪の“ヘ”に変なヴィブラートかけたり、がなってしまって綺麗にサウンドに溶け込めるような歌い方をできなかったと思うんですね。それに、自分が音楽というものでご飯が食べたいなと思った頃の気持ちだったり無邪気さを出すことに照れもあったかもしれなくて。今の俺だから歌えた曲かなって思うんですよ。サビの1行目はいろいろ考えましたね…“未来へ!”っていう言葉、歌が俺に気づかせてくれたこともあって。綺麗事だけじゃなく、未来や目的のために手段を選ばないヤツだっているし、ズルいヤツもいる。でも、それはそれでいいと思うんです、俺は。というような歌詞から感じたまま、素直な気持ちに歌ってますね。このストーリーの中には、いろんな意味が込められていると思ったから。
ーーええ。バンドを始めた頃の初期衝動だけじゃない、恋愛のスタートも感じさせますしね。
:♪二人の白書-Bible-♪って歌ってるし。
ミネ:なんかね、いろんな未来を垣間見れるんじゃないかなって思いますね、この曲は。

M2「gdgd」
ーー読み方は“グダグダ”でいいんですか?
ミネ:はい。
ーーこれ、よくミネさんのブログでみかけますけど(笑)、どちらかといえばネガティヴな言葉じゃないですか。だけど♪Good a! Good a day!♪の省略だと捉えれば非常に前向きっていう(笑)。
ミネ:そうそうそう(笑)。あと“マケグミ”を♪Meke good me♪とかね。
ーー物の見方を変えさせてくれるきっかけになりました。
ミネ:あ、そうですか(笑)。言葉遊びですけどね。サウンドはビートルズ初期の作品のようなパッと入ってくるメロディーとキャッチーなサビ、簡潔明瞭な構成です。そういう曲が作ってみたかったので。
ーー確かに'60年代の香りはします、ドアーズの雰囲気とかも。
:なんか、スッゴいバンド名が出てきたな(笑)。
ミネ:でも、その辺ですよ(笑)。
ーー(笑)。“エー、ビー、シー”ってコーラスはツブクさん?
ツブク:みんなで言ってます。
ミネ:コーラスも楽器の一部だと思って声も入れてますね。それもビートルズよろしくですよ。やっぱ声は入っていたほういいなって。いくらギター・フレーズがカッコよくても、何かがちょっと足りないんですよね。そこで“イエイ!”とか“オーライ!”とか何でもいいから入れてみようって。
:“オーライ!”は古いでしょ(笑)。
ミネ:ま、でも声が入ってることで、聴いてる人もさらにハッ!ってテンション上がると思うから。やっぱり声って大事ですよ。
広志:声もそうだし、生っぽさって大事ですよね。ドラムも生っぽい感じにしたくて。かなり苦労したんですけど、そのぶん、人間味が出たんじゃないかなって思います。
ツブク:スゴい簡単なフレーズで面白いのないかな?って探して弾きましたね、この曲は。上がったり下がったりっていうだけのフレーズはシンプルなんだけど、今、話に出たビートルズでもあったりするので。シンプルだけどスゴく曲に合ってるなって自分でも気に入ってますね。
琢磨:コードの流れがシンプルなぶん、逆にロックを感じたっていうのがあって。ギターもロックなフレーズを入れていこうかなっていうのはありました。
ミネ:この曲の鍵盤は手弾きです。タイミングは、手で弾いたのをそのまま活かして。テンポは揺れるけど、そのほうが面白いですから。
:そういう曲なんで、歌は聴き手も自分も疲れないように歌おうっていう。なんかラフに聴いてもらえたらいいなって思います。

M3「乙女桜」(3rd シングル収録曲)
ーーオリコン・インディーズ・チャートで初めて1位を獲った思い出深い曲ですね。
琢磨:そうですねぇ…(←感慨深げ)。
広志:「乙女桜」は発表されてからも、ライヴでアレンジを重ねてきた曲なんです。なので、今の完成形がコレっていうんですか。
ミネ:ただ、音源出してしばらくして、曲はいいんだけどレコーディングは良くなかったなって反省したんですよ。
:それ、ずっと言ってたね。
ミネ:だから、早く録り直したいと思っていて。今回、録り直したことで、いちばん納得した仕上がりになってます。
:それは同感。評価された曲だけに納得のいかない仕上がりは余計に悔しかったんですよね。シングルは当時のベスト・テイクではあったかもしれないけど、今のベスト・テイクはコレです。昔と今の違いがホントに明確に出てますよ。
ミネ:当時のベストは…低かったね(苦笑)。つまり、俺たちがあんまり良いレコーディングができなくても、琢磨が営業で頑張ればCDは売れるってことだよ(笑)。
ツブク:極論ね(笑)。
琢磨:違うよ! 違うから!!(笑)

M4「Book」(2nd シングル収録曲)
ーー「Book」もアルバムのココに入ると少し意味合いが変わってくるな、と感じたんですが。
ミネ:「Book」はアルバムのどこに配置するか?悩みました。アレンジ、音質を含めて単曲で考えちゃってたので。他の曲よりステレオ感がないというか、音をギュッと詰めちゃってるんです、疾走感を音の固まりで出したくて。だから、ちょっと浮いてるというか…悩みましたね。アルバムに入れるなら「ブーカーゴーゴー」の前しかないかな、と。スゴいロックしてる曲なので。
ーー今回の音源には歯磨きする音が入っていたりとか、また芸が細かいってう(笑)。
ミネ:そうそう、アルバム・ヴァージョンにも入ってます。ま、朝という設定なので、とりあえず入れておけ!みたいな(笑)。

M5「ブーカーゴーゴー」
ーーリズムが変化していくのが面白い曲ですよね。
ツブク:そうですね。オムニバスCDに入っていた曲なんですよ。それを今回、リテイクしてます。
ーーこれ、原付バイクでニケツ(2人乗り)してる感じですか?
ミネ:そうそう。明らかに交通違反(笑)。
:ちゃんと♪排気量 limited 50cc.♪って歌ってますからね(笑)。ま、若さ故のかわいいエピソードですよ(笑)。
ミネ:日本人が、こういうサーフ・ロックやるにいは良い題材じゃないかなって。カリフォルニアのバンドだったら、こういう曲にローラーブレードうんぬんの歌詞を乗せるかもしれないけどーー。
広志:しゃれた感じで。
ミネ:ま、俺らが少年の頃、日本の田舎の男の子だったら原付きくらいがちょうどいいんじゃないですか。
:それも、お祖父ちゃんから勝手に拝借したカブを乗り回す感じね(笑)。俺と琢磨のいい思いでですよ。
琢磨:昔、こんな感じのことしましたね(笑)。
ミネ:設定としては「Book」の設定が中学生くらいで「ブーカーゴーゴー」が高校生くらいかな。
:そして、ちょっと大人になって次の「モトカレ(美容師編)」に繋がっていくという。

M6「モトカレ(美容師編)」
ーー以前、「モトカレ(アパレル編)」ってあったのの“美容師編”?あの〜この歌詞、ちょっと怖いんですけど(笑)。
ミネ:へぇ。共感しませんか?
ーー人によるんでしょうけど、女の中の女っていうんですか。いかにも蠍座の女な感じっていうか(笑)。
:解る気がする!(笑)
ミネ:けど、そういうカップルいますよね?
ーーいると思います(笑)。サウンドはどうですか?
琢磨:僕は初めてこのレコーディングでワウ・ペダルを踏んでまして。ニュアンスを出すのが難しかったけど、新しい試みは楽しかったですね。
ツブク:この曲はアップライトのベースを弾きました。
ーー前のアーティスト写真で持ってるベース?
ツブク:そうです。ベースで曲を良い空気にできればいいな、と思って、そんなに主張はせず、バンド・サウンドの厚み、奥行きを作ることに徹してみようか、と。
ーーあと、この曲にはマンドリンみたいな音が入ってませんか?
ミネ:あれはギターです。正にマンドリン奏法ってやつでアコギを弾いて、それを何本も重ねてますね。もうレコーディング中、ノイローゼになりそうでしたけど(笑)。
琢磨:大変だったね(笑)。レコーディング中、ミネくん大変そうだなって見てましたよ。
ーーやっぱり3/4拍子って難しいですか?
広志:リズムで苦労したの、実は俺じゃなくて貘だったりするんですけど(笑)。
:3/4拍子が全然頭に入ってこなくて(笑)。レコーディング当日も苦戦しました。
ーーあと、ああいう女目線の歌詞の表現は苦労しません?
:物語を読んでるような感覚で歌ってますね。だから聴いてる皆さんと同じ目線じゃないですかね、見え方も景色も。楽曲が、その物語をちゃんと仕上げてくれているっていう在り方で歌ってます、自分なりに解釈して歌うというよりは。
ミネ:歌詞の中では♪頑張ってるもの♪ってフレーズがいちばん大事。聴き所です。そこはね、貘に“ちょっとココは気持ちを入れて”って言って。
:そこのニュアンスは大事にしてほしいって言われて、何度も歌いましたね。
ミネ:あの一言に女々しさと皮肉と“頑張ってるものね”って素直な気持ちが混ざってるからね。

M7「笑!うるせぇすマン」
ーーこれ、喪黒福造?
:それとは違います(笑)。
ミネ:ちゃんと読んでください(笑)。
ーーわかってますよ、わかってますけど、そっからですよね?
:ま、そうですけど(笑)。
ミネ:アルバムの曲が出揃って並べた時に、何か物足りなさを感じて。やっぱり花少年バディーズに面白さを求めてる人もいるんじゃない?ってところで慌てて入れることにしたんですね。
:…って真面目か!(笑)
ーーあの“うるせぇ!”って貘さん、日常で言ってそうですもんね。
:やっぱ、そう聞こえるんだ。
琢磨:ところが、アレは貘じゃないんですよね。
ーーえ!? じゃあ誰ですか?
ミネ:ディレクターのオッサンです(笑)。
ーーオッサンって…(笑)。
:ディレクターのオッサンをヴォーカル・ブースにぶち込んで、“うるせー!”っていろんなパターンで言わせて(笑)。
ーーなんか言い慣れてる感じがしましたけど。
ミネ:言い慣れてますよ、レコーディング中に“うるせ!”ってスゴい言ってますから。むしろ“うるせ! うるせ!”ってスゴいうるさいから、“じゃ、そういう曲、作るよ”って言って、そこから作ったんですよ(笑)。
:“作るから歌えよ!”って言って(笑)。だから俺、Aメロ、Bメロしか歌ってないですもん。
ーー“今日の髪型キマってるね〜”とか、前振りは?
ツブク:ミネくんと俺で言ってます(笑)。
ーーあの感じ、ふかわりょうの昔のネタみたいでシュールですね(笑)。
ミネ:あ、言われればそうかも(笑)。
ーーこんな歌詞の曲ってありなんだ〜ってかなり笑劇的(衝撃的)でした。
ミネ:でも、楽曲的なところでいえば、こういう感じのアメリカンなロックの音は今後のバディーズを左右するんじゃないかな?って思っていて。ジミー・ヘンドリックスの曲みたいなコードやレニー・クラヴィッツを意識したグルーヴ、そういった太い音、大きいグルーヴは今後、サウンドを突き詰めていくとっかかりになるんじゃないかなと思いますね。
琢磨:この曲はコードをかき鳴らすだけでカッコいいからね。そういうロックな音作りは心掛けましたし。
広志:ロックを感じさせる曲は、変に縮こまっちゃいけないと思って、できれば一発OKがいいなと思って、狙って叩いて結果、見事に一発OK。ロックなグルーヴ、生々しさは出てるんじゃないかと思いますね。
ツブク:広志がスゴくいいドラムを叩いてくれたんで、それに乗せて飽きないフレーズを弾けたかな、と。
:サウンドがロックなので、俺もロックな歌い方をしてますね。♪草の根を〜♪の符割りとか。
ミネ:ちょっと英語っぽい感じで歌うとか、その辺、拘りましたね。ま、サウンドはロックしててカッコいいんです。ただ、こう言っちゃ申し訳ないけど、この曲は遊び半分、からかい半分ってことで(笑)。面白いな〜って聴いてもらえればいいかな(笑)。


<Interview:Kimico Masubuchi>

後半戦へと続く。

【 花少年バディーズ → http://baddies.jp/ 】


★花少年バディーズが全員集合=3★
■『Temo-Talk』とは手元を映しながらトークを展開するユル〜いトーク番組です■
※ですが! 今回は顔出しで全員のトークをアップします!!

『Temo-Talk』は333musicのYouTubeチャンネル【333music TV】でご覧ください。

【333music TV】
★PC →  http://www.youtube.com/333musicTV/
★mobile → http://m.youtube.com/333musicTV/

インタビュー【人時 1st Solo Al『I Never Kill The Groove.』】

hitoki

KNCP-0009流通








■1st Solo Album『I Never Kill The Groove.』
2012.11.21 on sale



前回のインタビューでは、
自身初のベース・インストゥルメンタル・シングル「Could You Dance With Me?」について
大いに語ってくれた人時。
今回は11月21日発売のインストゥルメンタル・アルバム『I Never Kill The Groove.』のことを
たっぷり伺うことに。
作品を通して拘った点、ベース・ソロ作品だからこそ発見できたこと…
本作を手がけたことで色々と気づくことも多く、新境地を開拓できたのだとか。
人時流の作曲方法、ベースへの拘り、人時らしいプレイ・スタイル…
とにかくまるごと人時を堪能できる作品だ。
人時を愛する人にはもちろん、ベース・キッズの心をくすぐるプレイも満載。
そんな作品になったのは、ベースを始めた頃の真っ直ぐな気持ちが、
今も人時の中に存続しているからなのだろう。


           *                 *

ーーシングル「Could You Dance With Me?」のお話しを伺った際、ベースのインストゥルメンタル作品を作る踏ん切りがつくまで時間がかかった、とおっしゃってましたが。
人時:そうですね。前回もお話ししたように、何をしていいか?が解らなくて、作品を作ろうって考えに辿り着くまで、ちょっと時間がかかってしまったというか。僕の知ってるベーシストでソロをやってらっしゃる方、マーカス・ミラーやジャコ・パストリアス、ブーツィー・コリンズ、ビリー・シーンとかの作品を聴いてみると弾きまくってるんですよね、ベースを。
ーーベーシストの作品ゆえに。
人時:当たり前なんですけどね(笑)、聴いたら“うぉ〜スゲーッ!!”みたいな感じ。プレイヤーの技術的にスゴいなって思うんですけど、アルバム1枚フルでそれをやっちゃったら無理だろうと思ったんです。
ーー無理とは?
人時:僕自身、インストゥルメンタルの作品を聴くのが、そんなに得意ではないし、自分が弾くにしてもネタ切れになるし(笑)。
ーー(笑)。
人時:だから、自分が飽きない作品を作ることが僕の中でいちばん重要でしたね、本作の制作にあたっては。自分が聴いても飽きないものなら聴いている人も飽きないだろうし、できれば聴いて楽しくなってほしいし。なおかつ技術的な部分でも“おぉ!”となれる部分は出したいし。そういうのがうまく散りばめられたらいいな、と考えながら曲作りにとりかかったんです。で、作っていけばいくほど、ヴォーカリストの存在のデカさを感じてしまって。やっぱり音楽の中で言葉が締める部分はデカいなって思ったんですね。例えば“誰かを愛してる”っていう気持ちはシンプルな言葉で伝えられても、それを演奏で伝えようとすると、できないですもんね、やっぱり。
ーー激しく怒り狂う、優しい感じ、悲しい気持ち、とか大まかな喜怒哀楽は伝えられたとしても、その先にある細やかな感情表現は難しいかも。
人時:そうなんです。インストの場合、音以外は楽曲のタイトルから想像してもらうしかない。そういう意味では、より難しい楽曲形態なんだろうなって作っていきながら実感してましたね。
ーーとなると、曲タイトルは重要になりますね?
人時:かなり悩みましたねぇ。Dummy's Corporationをやってた時にタイトルから曲を作ったことがあって。インストではなかったんですけど、その時のことを思い出して今回も作ってみたんですね。それが「Gate Keeper」って曲なんですけど。
ーーええ。で、どうでした?
人時:結果、別にベースをフィーチャーしなくてもいいじゃんって曲になっちゃったんですよ(笑)。曲としては面白いけど、ベースをフィーチャーするアルバムでは、その作り方は合わないんだなって。結局、僕の中ではそういう答えが出てしまったので、他は曲先行で作りました。ベースがメインの曲、ベースが聴けるアルバムを作ることだけに集中して。だから、タイトルはいい加減です(笑)。
ーー(笑)。ということは、本作『I Never Kill The Groove.』に収録されている曲は、タイトルで先入観をもたなくてもいい、と。
人時:基本的には(笑)。集中して作ていた時期、今年の4、5月くらいに僕が感じていたことや、その時の精神状態、たまたま出逢った言葉の響きがタイトルのキーになってます。さっきの話を覆すようですけど、タイトルはあんまり気にして付けてないっていう(笑)。タイトルが当てはまるのは「Rush Live」くらいじゃないかな。“Rush Live”は“生き急ぐ”って意味なんですけど。あと「Brush Up!!」の“磨く”って意味は、どちらかというと自分のプレイにおける上昇志向がキーになってるから、これもタイトルに沿った内容にはなってますね。
ーーなるほど。収録されてる13曲の中で、個人的に興味深かったのは6曲目「Mechanical Wind」と7曲目「Representation」。ここまでベースで歌いきれるんだな、って驚いたといいますか。
人時:はいはい(笑)。曲を書こうとする時に出てくるのがリフであるケースも多くて、それで押し通してしまうことがロック系では多いと思うんですけど、もちろん、本作ではメロディーも弾きたいと思っていたので。そんな中、偶然に近い感じで出来上がったものですね。というか、この2曲に限らず、すべての曲が出来たのは偶然に近いんです。何か作れないかな?って頭で想像したモノをその場で弾いてみたり、いまひとつ納得がいかなかったら、そのフレーズを変形させていったり。そうやってどんどん広げていきながらコレだ!と思うモノが出てくるまで模索し続ける感じでした。そんな中で「Mechanical Wind」は、どちらかというとコード進行から作ったんですね。ベースの曲のくせして(笑)、ギターとかピアノで鳴らすような和音から作っているという。それに対して、どうベースでメロディーを入れようかな?って考えていって。
ーーそうなんですか。「Mechanical Wind」は夏の夕暮れがイメージされるたんです。なので何かイメージした景色はあるのか、と…。
人時:いや、まったくイメージ先行じゃないです。あくまで技術先行。
ーーそれで聴き手に風景を連想させるってスゴい。というか、たった4弦でここまで歌えるって、かなり感動ものです。
人時:うんうん(笑)。いやー、でも「Mechanical Wind」は、とにかく難しかったですよ。楽器でメロディーを歌うことの難しさを思い知ったというか。主旋律をベースで弾くってことに集中するような作りにするわけで。音のバランスとしてベースをフィーチャーするとスゴくニュアンスは出るんですけど、良くも悪くも微妙なタッチが出てしまうんで相当気を遣いましたね。もちろん、文明の利器を使ってエディット(編集)もしましたけど、なるべく最初から最後まで弾ききりたいっていう気持ちも強かったので、このニュアンスはOKか? これはリズムとしてダメなのか? そこでのジャッジは結構シビアにやりました。メロディーを弾く時って、こういうタイミングで弾かなければいけないんだっていうのも解ってきたし。自分が思ってる聞こえ方を目指そうと思ったら、こんなにタイミングが違うものなのかって、ニュアンスの出し方の違いに気づいて。そこは勉強になりました。
ーーバンドの中におけるベースのポジションって、いちばん気を遣うポジションっていうか。あっちに気を遣い、こっちに気を遣い、全体のバランスをとってみたいなところがあるじゃないですか。
人時:うんうん、そうですね。
ーーリズム隊といわれるくらいですから、本来、揺れるプレイは求められないですもんね。しかし、こういったベースが主旋律をとる曲に関してはリズムの中で遊ばなければ歌えないと思うんです。
人時:確かに。ベースで主旋律を歌うっていうのはバンドの中でベースを刻むのとは違うんだっていうのは、いちばんこれまでとは大きな違いだったかな。ベースでバンド・サウンドを支えるのなら、こんなタイミングのとりかたはしないな、とか。いろいろと試しながら「Mechanical Wind」は何度も弾き直しましたし。僕の中での新境地というか、新たな領域にチャレンジした曲になったことは間違いないです。
ーーその一方でベーシストらしい、暴れているゴリゴリ押していく感じの、よく知られているベーシスト・人時さん像が全面に出た曲もあって。
人時:そうですね。
ーーいろんなタイプの曲がありますが、13曲中、7曲をそうる透さんが叩いてらっしゃるとか。
人時:1曲目と後半の8〜13曲目ですね。
ーー透さんんが参加されてる曲はシングルに収録されてたような、インプロヴィゼーションで作ったんですか?
人時:いや、全部、打ち込みで作って、この曲は透さんに叩いてもらおう、と決めてお願いした感じです。一昨年くらいから“2012年に僕もベースを初めて20周年を向かえるので、それに向けて何か作ることになったら参加していただけませんか?”って話をしていて。“いいよ、全然いいよ。俺も、もうすぐドラムを初めて45周年だけどね”なんて言いながらOKをいただいていたんですね。それで本作を1曲ずつ作っていく中で、これは透さんに叩いてもらいたいな、これは打ち込みでいきたいな、と選んでいって。ドラムを打ち込んだデモを透さんに渡して叩いてもらったんです。で、1曲ずつデモを作っていく中、この曲は透さんのドラムだなって思うとドラムの打ち込み方が変わるんですね。最終的には生ドラムに変わるって感覚で作るので意外といい加減なんですけど(笑)、フレーズとかビートの構成、音色が透さんのドラムの雰囲気に似ちゃうんですよ。昔から透さんと一緒にやってきた成果なのか何なのか(笑)。自分ではあんまり気にしてなかったんですけど、透さんから“デモで打ち込んだドラムの雰囲気が似ているから、逆にプレッシャーかかっちゃったよ”なんて言われたりして(笑)。
ーー(笑)。
人時:そんな感じのデモを7曲分お渡しして、あとはほぼお任せ状態。デモのまんまの所もあれば、アレンジしてもらってさらに良くなった箇所もあるし。僕がやりたいことを理解してくださった上で、さらにこうすると面白いでしょ、っていうものを加えていただいた感じです。なので、やりやすかったし楽しかったですよね。
ーーそれができたのは長年に渡る透さんとのお付き合いがあったからこそ、じゃないですか?
人時:じゃないとできなかったかもしれないですし。たぶんレコーディング上は、なんとでもなるんですよね、特に今の時代は。その場で出来る、出来ないはおいといたとしても、いろんな技術がありますんで、結果として良いものにすることはできるんです。でも、やっぱり、なんていうんですかね…そういう時代だからこそ生でやりたいって気持ちも強かったから、必然的に透さんにお願いしましたし。絶対、生の醍醐味ってあると思うんで。透さんなら僕が想像する以上のものを叩いてくれるっていうのは解っているし、そこに対する期待値も高かったので、ドラムのレコーディング当日はワクワクしっぱなしでした(笑)。今回は時間の都合上、僕がすべての曲のOKテイクを作ったのに対して透さんがどう合わせて叩いてくださるか?という、いつもとは逆のパターンのレコーディングだったんで。僕のニュアンスを理解して叩いてくださるから、さすが透さん!!って感じでした。もうね、透さんは日本の音楽業界の宝ですよ(笑)。
ーーですよね。すべてOKテイクを透さんにお渡しした、というと…他の重ねた音はすべて人時さんが打ち込んでます?
人時:そうです。今回、僕の中でどうしても譲れないコンセプトとして、弦楽器はベース以外入れない、というのがありまして。
ーーあ、気づきませんでした。
人時:気づかないと思います、たぶん。これ、ベースなの? ギターじゃないの?っていう音がいっぱい入ってるし。実際、ギターみたいな音にしちゃって弾いてるのもあるので、音を聴いただけでは一概にベースだとは解らないというか。いわゆるギターのギャーン!っていう音もベースです。そういう歪んだ音のベースを入れると、ギターとベースの棲み分けが難しくなるっていうのもあるし、ベーシストをフィーチャーする作品という意味では、ギターはないほうがいいやって思って。あとはベースを補うシーケンスのフレーズやピアノで補って。キーボードの音源を駆使しつつ、ベースとドラムがメインに聞こえてくるように意識しましたね。
ーーそこまで拘ったベーシストのソロ・アルバムってないんじゃないですか? 今まで人時さんんが触れてきたベーシストのソロ・アルバムにはギターは……?
人時:入ってますよね。
ーーそうですよね、普通。そこまで徹底してるベース・ソロ作品も珍しいんじゃないですか?
人時:うーん、ま、それはパソコンが普及して、パソコンの中ですべて出来てしまうような今の時代だからこそ出来たことだと思うんですけど。音源も選べるし、好き勝手にできるし。もちろん、鍵盤の部分はキーボーディストにお願いすることも可能だったかもしれないですけど、極端なことを言ってしまえば僕と透さん意外のニュアンスはいらない、っていうくらいの腹の括り方というか。
ーーああ、なるほど。
人時:例えばジャズ、フュージョン系のマーカス・ミラーのソロ・アルバムなんかは、彼がベース弾く後ろでドラム、ギター、鍵盤が気持ちの良いグルーヴで包み込む、みんなで楽しい空間を作るって感じなんです。そういうのは僕も大好きな空間なんですけど、今回は、みんなで歩み寄って音を作るんじゃなくて、“僕です”っていうのをわかってもらえる作品にしたかったんですね。だから、僕と透さんの音以外、バックトラックは無機質でいいっていう感覚。より僕の生々しさを際立たせるに、それで良いのかなっていう。
ーー他に、ベースはこの1本で弾ききろう、とか何か拘ったことあります?
人時:この曲は5弦ベースじゃないと無理とか、この曲は4弦でもいけるとか、それくらいの決め方ですね。今回はSCHECTERの自分モデルの4弦と5弦を使ってます。あとは「You Can Do It」でスラップっぽいことはやってますけど、他は全部、ピック弾きしてるってことですか。
ーー全部ピックで弾き?
人時:指弾きはなしですね、一切。
ーーピックで、あそこまでいろんなニュアンスを出せるものなんですか!?
人時:だから難しかったんです(笑)。今回、初のベース・ソロ・アルバムってことで、20年間、自分がプレイヤーとして拘ってきたスタイルって何だろう?って改めて考えた時、出てきた答えの1つがピック弾きだったんですね。指弾きをやれ、スラップをやれって言われれば、もちろんやりますけど、自分の中でストレスなく弾けるスタイルっていうのはピック弾きなので。逆にピック弾きだけでベースのソロ・アルバムを作ってる人もいないだろうし。今の時代だと、ベーシストのソロ・アルバムではスラップ奏法、指弾きが全面に押し出された作品のほうが多いので。そこはある意味、羨ましかったりもするんですよ(笑)、自分がずっとピック弾きをやってきたから。僕はスラップとか指弾きで卓越した技術をもってるわけじゃないし、僕の武器といえばピック弾きなので。だから僕の武器で本作は作ってみたいなっていうのが、ちょっとありましたね。そういった中でピック弾きだとしっくりこなくてスラップにしてしまった「You Can Do It」は唯一、心残りといえば心残りなんですけど(笑)。
ーー(笑)。全部ピック弾きにしときゃよかったーって(笑)。
人時:そう(笑)、そうしとけばよかったかなって。でも、スラップ奏法をやったらやったで喜んでくれる人もいるんだろうな、みたいな(笑)。
ーーベース・キッズたちは、いろんな人時さんのプレイを聴きたいですから、きっと(笑)。あと、ところどころに女声のスキャットとか、掛け声風のコーラスとか入ってますよね。
人時:入れてます。今回は自分で掛け声的なものを入れたり。そこに関してはサウンドのメインにはならないけれど声があっていいのかな?って。キーボードの1つの音が声になってるだけ、みたいな。裏メロみたいなものです。とにかく1枚を通して聴いた時、自分で飽きるのは怖かったので(笑)。あとは、ゴチャゴチャしすぎないこと。ちょっと隙間があるかも? まだ余地はあるでしょ?っていうような作り込み方は意識しましたね。
ーーホントにいろんな方向性でアプローチされた13曲だと思いました。「Coin」とかは'70年代のプログレの現代版って感じでしたし(笑)。
人時:まさしく(笑)。やっぱね、好みが出ちゃいますね。ギミックがあったり変拍子があったりユニゾンが多かったり。そこは楽器を触る人からしたらワクワクするようなポイントだったりすると思うし(笑)。僕も、ユニゾンで気持ちよく合った瞬間はやっぱり好きだから。そういうアプローチの曲は絶対、必要だと思ったし、僕としても入れたかったので。このアルバムに興味を持ってくれる人の中には楽器のことを知ってる人、楽器を触ったことある人、楽器を弾いている人が少なからずいるとは思うので、そういう子たちがワクワクできるような楽曲作りを意識した曲ですね。だからといって“コレは絶対に弾けない”っていうんじゃなく、“コレ、ちょっと頑張れば弾けるかも”っていうところは大切にしていて。その辺、楽しんでもらえたらいいかな、と。
ーー「Coin」や「Rippling」がコピーできたら、ちょっとベースの腕が上がったかも、って思えますよ、きっと(笑)。きっと、良い意味で挑戦曲になるんじゃないかなって。
人時:それはあるかもしれないですね。
ーーいろいろお話しを伺ってまいりましたが。最後に13曲を括るアルバム・タイトル『I Never Kill The Groove.』に込めた想いを教えてください。
人時:単純に訳せば“僕はグルーヴを殺しません”っていう意味になりますけど。なんとなく“グルーヴ”って言葉を使いたかったのと、リズム隊でどこまで寄り添えるか?って考えた時、重要なのってやっぱりグルーヴだなって思ったからなんです。たとえば打ち込みやクラブ・ミュージックのような綺麗に整列された音がループされていくことでも気持ちよいグルーヴを生み出されますけど、僕が縦横無尽、好き勝手に動いていく中でもグルーヴは生まれるんだろうなって。グルーヴも十人十色というか。たぶん、僕のグルーヴは他の人にはそうそう出せないし、逆に言ったら他の方のグルーヴは僕にはそうそう出せないものなので。そういった意味で“僕のグルーヴはコレです。ちょっとグルーヴに拘ってみました”みたいな意味も含めて付けました。
ーー“ちょっとグルーヴに拘ってみました”って、いきなり控えめな感じですけど(笑)。
人時:(笑)。
ーーま、11月2日のライヴ、“B-G-Masterbating”のステージでは思い切り人時さんのグルーヴでグイグイと攻めてくださるんでしょうし(笑)。
人時:ベースを弾き倒します(笑)。アルバム『I Nevver Kill The Groove.』のベースは生々しいですけど、それ以上に生で見て感じてほしいですね。


<Interview:Kimico Masubuchi>

☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆


いかがでしたでしょうか?

11月2日にはギタリスト・K-A-Z氏とのライヴもあります。
ベーシスト・人時氏の世界を生でご堪能あれ!
会場ではアルバム『I Nevver Kill The Groove.』の先行発売もあります!!
詳しくは人時氏のオフィシャル・ウエヴ・サイトにて。

【 http://hitoki.info/ 】



インタビュー【rice New Sngle「Fake star」】

rice_ア



2012年10月24日、riceの13枚目のシングル「Fake Star」がリリースされた。
このインタビューは2012年10月4日に行ったが、
4日後の10月8日、FC限定ライヴで無期限活動休止が有紀の言葉でFC会員に伝えられ、
その数時間後、オフィシャル・サイトでも報告された。
つまり、本インタビューは無期限活動休止は決まっているものの、
まだ公にはできない、という、もやもやした空気の中で行われている。
それを前提に、この記事の行間を読みとってほしい。


          *       *

ーー表題曲「Fake Star」はライヴの定番曲ですよね。
櫻井有紀(以下、有紀):riceの旗揚げ公演からずっとやってる曲なんですよ。12年ものの曲。それだけに思い入れは強いんですけど、僕らはロック・バンドですから、ライヴではビート感を楽しんでいただいたりして盛り上がるナンバーですね。
村田一弘(以下、ヒロ):元からテンポも速いんで、やっぱり盛り上がりますね。
有紀:ワンマン・ライヴでは1度も欠かさずにやってきているから、rice結成史上、いちばん演奏した回数の多い曲なんですよ。自分たちのカラーがいかんなく発揮できてる1曲じゃないか、と思います。
ーー12年間、ワンマン・ライヴで欠かさず演奏してきたriceの代表曲を、このタイミングで出すことになったのは、何か意味があるんですか?
有紀:Webとかで知っての通り、Raphaelが2012年10月31日、11月1日の2日間だけ復活するわけですけど、復活まで自分たちがどういうポリシーで、どういう信念をも持って音楽を続けてきたのか? その想いを込めた歌詞だったりするので。だから今出さないと、もう出すチャンスがないんですよね。
ーーあぁ。
有紀:12年間、riceを守りつづけてきた意味、自分たちの音楽スタイルをちゃんと証明するために最も大切なアイテムなので。良いタイミングというか、ここしかないんです。
ヒロ:いっぱい曲がある中で、レコーディングするたびに、この曲を選ばず、ずっと活動を続けてきたのも“このタイミング”のためっていうところもありましたし。
有紀:実は「Fake Star」はRaphaelの頃のストック曲なんですよ。Raphaelの何枚目かのシングル選曲会議に出すために作っていった中の1曲だったんですけど、結局、Raphaelでは形にすることなくバンドが休止してしまって。けれど生前の華月が「Fake Star」の原型を聴いて“これ、カッコいい!”と絶賛してくれていたのもあって、じゃ、2人で始めるriceのナンバーの軸に置いてもいいんじゃないかな?ってことで、とにかく長く歌い続けていけるようにしようと思って書いた歌詞。だから曲のルーツとしてはRaphaelの中で生まれていて、歌詞を書いた時代背景はそういう時期だった、という感じです。
ーー長年、ライヴで演奏する中で、歌詞の解釈やアレンジの変化はありますか?
有紀:いや、そんなにはないですね。でも、CDにするにあたっては、CD向けにはこうだよねっていう話を2人でサクサクして。
ヒロ:話し合って2人の意見が一致するのは早かったですね。ドラムに関して細かいところを言えば、CD用にアレンジしてフィルとかは違いますけど、それ以外のベーシックな部分やテンポは、ほとんど一緒だし。
有紀:ただ歌詞についての手直しは1度もないですね。12年間、同じ歌詞を歌っています。
ーー『Temo-Talk』で話したように、ホントの12年もの。
有紀:そうそうそう。
ーーそして12年ものといえば、初回限定盤、通常盤ともに3曲目に入っている「Re:Bye」。“Re”というのはメールの返信でよくみかけますが。つまり“Bye”に対する返信という意味合いですか?
有紀:うーん、ま、そうなのかな。メールの返信なんかでもそうですけど、“Re”には繰り返しだとか、ログが1つ残るような意味合いで付くじゃないですか。だから“さよならを繰り返す”という意味というか。ただ、さよならを繰り返した数って、イコール、出逢いの数でもあって。その辺りを歌詞に綴ってます。さっきもお話ししたように、この曲もrice結成当初、1発目のライヴからワンマン・ライヴでは欠かさずやってる曲で。これまでにFC限定でリミックス・ヴァージョンを配信したりはしてるんですけど、オリジナル・ヴァージョンは初音源化です。
ヒロ:「Re:Bye」も結成当初からある曲なので、1枚の作品としても、この選曲は僕ら的にもバランスがいいし。この2曲に関しては音源化するタイミングはここしかないかなってところで、まとまったシングルになってるとは思いますね。
ーーそして初回限定盤の2曲目「Freiends the nation」は?
ヒロ:これも古いね。
有紀:ライヴで結構やってきてますね。頻度は「Fake Star」ほどではないけど。ま、カップリングというくらいですから、とにかく表題曲との相性って、いちばん大事にしてます。そういう意味では、今まで音源化に縁がなかったともいえるし、温めてきたともいえるんですけど。表題曲との相性では今回、バッチリかなって。
ーーヒロさん、こういうミドルなリズムって得意なのでは?
ヒロ:嫌いじゃないっす(笑)。むしろ好きな感じですね。
有紀:似合うよね。絵になるっていうか。こういうビートを叩くと、スゴく良いなぁ〜って感じがするもん。
ヒロ:同じこと、ミックスの時にも有紀が言ってくれて嬉しかったっすね(照れ笑)。
ーー歌詞に関しては、どう捉えたらいいんでしょう?
有紀:散文的な歌詞、単語をただ並べていってる感じなので、歌詞に込めたメッセージはこうだ、というよりは、バッと耳に入ってくる言葉を頭の中で並べてもらえればいいかな。
ーー解釈は聴いた人に任せます、と。
有紀:うん。中身がないことはないですけどね。歌詞のどの部分にツボがあってもスイッチがあってもいいかなって感じ。リリックよりもサウンド面を楽しんでほしいかな。ヒロのビート感も素敵ですし、ある意味、rice節なので。
ーーええ。で、通常盤の2曲目に入っているのが「カサブランカ」。先日、9月29日のワンマン・ライヴで披露されてましたね。
有紀:これは書き下ろし曲でリリース前に聴いてもらいたいな、と思って、あのツアーで初披露しました。
ヒロ:こんな新曲が収録されるよっていう宣伝も込みで(笑)。
ーー一応、カサブランカの花言葉を気にして調べてみたんですけど。“雄大な愛、威厳、高貴”という意味がありますね。
有紀:そうですね。
ーーただ…カサブランカって悲しいイメージが強いんですよ。
ヒロ:それは?
ーー純白のカサブランカは告別式にあがってたりするので…。
ヒロ:ああ、そういわれれば。
ーーこれは個人的な印象ですけど、静かなピアノ曲ということと、歌詞の内容……頭の中でオーバーラップしてしまうんです。
有紀:うん…ま、カップリングですからね。ちゃんと表題曲を助けるとか、表題曲に花を添えるとか彩ってあげるとか、よりメッセージを明確にするとか、必要な役割はカップリング・ナンバーの「カサブランカ」にも持たせたつもりなので。
ヒロ:カップリング・ナンバーも含め1曲1曲に意味はあって。僕ら的には初回限定盤、通常盤、それぞれまとまったシングルになったと思います。
ーーお話しを伺ってきて思ったんですが…大事にしてきた「Fake Star」「Re:Bye」の2曲をこのタイミングで音源化するってことは…ある意味、本作はrice12年間の総決算みたいなところもあるんでしょうか。
有紀:ま…そうですね。ただ、その…あんまりカップリング・ナンバーをぞんざいにはしたくなくて。選曲の時はいつも考えることなんですけど、さっきも言ったように表題曲をいかに支えるか?いかに彩るか?より明確な位置づけにするか?っていうので考えた時、どうしても、そういうライン・ナップが必要なのかなと思って。だから、12年の総決算のように感じるのは当然というか。間違いないと思いますけど。
ーー有紀さんやヒロさんにとっては特別な想いのある1枚なのかなって感じています。
ヒロ:うん…そうですね。
有紀:なんか1つ、このシングルが良い区切りになればいいですけどね。

          *          *

 読んでいただいて感じた方もいるかもしれないが、私がインタビュー中に感じていた嫌な予感は的中してしまった。
 12年間、活動してきたriceを一旦止めるのは私自身も悲しく残念に思っている。
 しかし、『Thank You For All』で2人それぞれに話を訊いた時に、このまま2人はノンストップで走りつづけられるだろうか? という一抹の不安を抱いたのも事実だ。
 前身バンド・Raphaelを全速力で活動し続け、華月の急逝により準備もままならないままスタートしたrice。原稿には書かなかった話や、彼らの様々な想いを受け止めると、12年間、休むことなく今まで走ってきたことが、むしろ奇跡にすら感じられていた。
 まだ成人もしてなかった2人がriceとしてスタートを切り、12年間どんな想いで走り続けたのか?は今回のシングル表題曲「Fake Star」に込められている。
 riceをスタートさせてから12年間、ワンマン・ライヴでは欠かさず「Fake Star」を演奏してきた理由、それにも関わらず、ずっと音源化されなかったワケもそこにある。
 
 今回のシングルを聴いて12年の活動を振り返ってみれば、無期限活動休止はriceを続けるために必要な選択だと受け止められた人も、今なら少なからずいるだろう。
“それまでの筋書きは考えてきたつもりなので”と発表をした後の楽屋でポツリと言った有紀に、
“続けるための選択だと理解してるよ”と伝えると、
“ありがとうございます。そう言ってもらえたら嬉しい”と応え、安堵の胸をなで下ろし、やわらかな表情をみせた有紀。
そして“みんな、そう思ってくれたらいいんだけど…”と言葉を付け加えていたこと、その時のちょっと心配げな顔が今も忘れられない。

 2012年12月25日の赤坂BLITZ公演をもって、しばし休憩に入るrice。ライヴでは、見に来た人を楽しませ、元気にしようと、あれこれ考えているらしい。
 だからライヴでもらった楽しさを胸に、その時まで笑顔で待っていたい。
 素敵な楽曲とともにステージへ戻ってきてくれると信じているから。


<Interview:Kimico Masubuchi>


【 rice → http://rice.jp/ 】


『Temo-Talk』は333musicのYouTubeチャンネル【333music TV】でご覧ください。
【333music TV】
★PC →  http://www.youtube.com/333musicTV/
★mobile → http://m.youtube.com/333musicTV/
携帯からチェック!
QRコード
  • ライブドアブログ