2nd Album『Voyage』
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※defspiralインタビュー【2nd Al『Voyage』,『hide TRIBUTE II-Visual SPIRITS-』】2/2
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M6「花とリビドー」
ーー80年代のニュー・ウエイヴ的な隙間遊びの曲、これもまた新しいかな、と。
RYO:いい曲ですねぇ、って自画自賛(笑)。これね、仮タイトルから「リビドー」だったんですよ。色気をテーマに曲を作ったところもあったんで、そういう歌詞を書いてほしいな、と。
TAKA:RYOから「リビドー」って言葉をもらって、今までに“リビドー”って言葉こそ、そんなに使ってなかったんですけど、性的衝動と生命のエネルギーとはイコールである、ということはずっと唄っていたりしたので、この曲の歌詞には枯れていく美しさ、儚さを込めたいなって思いましたね。もっといえば、最近の曲の歌詞のテーマや思想の芯の部分をこの歌に込めたっていうか。元々、何かの機会にRYOと話をすることがあったんですよ、その流れもあってリビドーって言葉が出てきたんじゃないか、と…。
RYO:そうそう、リハ帰りの車の中で、お互いの性癖を話してね(笑)。
ーーホントですか?(笑)
RYO:ま、そこはTAKAさんのイメージがありますからノーコメントで(笑)。
ーーで、そのリビドーに花をくっつけたタイトルになったことで、より一層、エロティックになってますよね。
RYO:そうそう! 僕もビックリした。おぉ! 花を付けてきたか!!と。
TAKA:エロス感は増しますよね。“リビドー”というのはロックのテーマの大きな1つだし、自分の中にもあるモチーフなんですけど、花を付けることでより映像も浮かぶし、意味合いとしてもよりエロティックになるな、と。ただ単に卑猥な曲っていうだけで終わってしまってもいいんですけど、その裏に哀愁や憂いをどう含ませるか? それをいかに滲み出させるか?ってことは最大のテーマでした。
RYO:僕が唄ってほしい方向の歌詞、想像以上の歌詞と歌でかなり嬉しかったですもん。こういう曲唄ってほしいなっていうイメージ通りというか、それを遙かに超えてきたっていう。単純にこういうタイプの曲もなかったですし。
MASAKI:グルーヴ的にネチッとしていますよね。でも、その揺れてる感じはRYOくんがベースで出してくれてるんで、ドラムは案外タイトにやってるっていう。
RYO:この曲で大切にしたのは間ですよね。ほら、大好きなハンバーグでも、ずっとハンバーグが続くと飽きるじゃないですか? たまには、ざる蕎麦を挟もうよっていう。
TAKA:つまり、こってりしたもんばっかじゃなく、あっさりした蕎麦がたまには食べたくなるっていう。
RYO:そうそう、それ。僕らは構築するのは好きだし、音を詰め込んだレンジの広い音楽になりがちなんですけど、ある意味、そういう曲って誤魔化せるところがあるんですね。それを解った上で、敢えて、誤魔化しの利かない隙間のある音楽を今の僕らがやったらどうなるのかな?っていう期待感もスゴくあって。まーでも、まさかAメロでギターがほとんど鳴ってない、という仕上がりになるとは思ってなかったけどな(笑)。
MASATO:いや、俺は構築する派だから、いつも、そういうギターばっかり弾いているので(笑)。RYOの持ってきた「花とリビドー」を聴いた時はおぉ!って思いましたね。
RYO:ギターは任せるよって言って渡したんですけど、さあ、どんなギターを入れて戻ってくるのかな?って思ったら、もう驚きの連続。
MASATO:元々、ギターが入っていたところに、ちゃんとギターは入れたりしてるけどな。
RYO:デモの段階で“極力、ギターは少なめで”って言葉では伝えてないものの、そういう曲なんですよっていう渡し方して、心の中では余計な物入れてくるなよって思っていたんですけど(笑)、返ってきたギター・ワークは僕の理想の上の上を行くもので。間奏のギター・ソロといわれるところでは、どう遊んでくるかな?と思ったら、ああいう感じで入れてきて(笑)。
ーーヨレヨレ〜な感じの。
TAKA:良い意味での阿婆擦れ感があってセクシーですよね。
MASATO:リハスタでTAKAに“どんな顔してこのギターを弾く?”みたいなこと言われて(笑)。どんな顔してって言われても…みたいな(笑)。
TAKA:今までのMASATOの中にないスタイルだから、ライヴではどうなるんだろう?と。ま、俺としては自分に酔ってもらいたいな、と思ってますけど(笑)。
RYO:もう、そこも含めて僕が理想とする形を越えましたね、「花とリビドー」は。
M7「BREAK THE SILENCE」
ーー以前にもインタビューさせていただいてますけど、ライヴで演奏をしてきた今、改めて伺ってみましょうか。
RYO:これはこれでTHE MASATOっていう曲なんですよね。小賢しいアレンジが散りばめられたハードロック・テイストの曲、これがまたライヴでチョー大変!(笑)
MASATO:キメの多い曲ですからね。
MASAKI:普通、ライヴってテンション上がってるから、速いテンポの曲でも演奏中、速い曲だと思わないんですよ。だけど、この曲は唯一、ライヴで演奏していて速いな、って思う(笑)。
MASATO:たたみかけてたたみかけて、次のアレンジ、次のアレンジって変わっていくから。
RYO:レコーディングした当初は、なんてヴォーカル殺しな曲なんだろう、とずっと思っていたんです。
TAKA:ホンマにそうやな。
RYO:だけど、ライヴでやってみて、これはMASATO、全員を殺しにかかっとんな!と(笑)。
MASATO:休む隙を与えない曲っていう(笑)。
TAKA:(笑)。あ、それと。「BREAK THE SILENCE」は録り直したりもしてます。
RYO:月日が経って、こうしたい、ああしたい、っていうのが出てきたので、ちょいちょい手直しして。
TAKA:…というミニ情報でした。
M8「LOTUS」
ーー「LOTUS」は今や、ライヴの最高の盛り上がり、山場のポジションにある曲になりましたね。
RYO:まさか、ライヴでこの位置に「LOTUS」がくるとは思わなかったですね、作った当時は。ああ、こういう解りやすい曲はシングルにいいかもね、くらいでしかなかったし。
TAKA:それまでストレートなハードロック・テイストの曲は多かったんですけど、1回、こういうダンサブルなのをシングルにするのも面白いよねってところで決まったし。
RYO:で、出来上がってライヴで演ってみたらハマッたな、みたいな。
TAKA:思った以上にオーディエンスの反応がよくて。
MASATO:この曲がきっかけで、ファンのノリが変わっていったのは感じてますね。
RYO:「LOTUS」があったから「MASQUERADE」が出来たといっても過言ではないし。僕らの感覚もスゴく変わりましたよね、この曲をきっかけに。
TAKA:踊れて、言葉で遊べて、かつセクシーなヴォーカルで、というdefspiralの自由さが花開いた曲でもあるんです。楽曲がカッコいいから何をやっちゃっても大丈夫でしょうっていう自信もあったし。
MASAKI:「LOTUS」のデモが出来た時から絶対よくなるんだな、この曲でライヴも変わるんだろうなとは予想していたんですね。実際、そういう手応えもあったし、当初、このシングルを出してすぐアルバムの制作に入るっていう話が、「LOTUS」が出来たことによってアルバム制作をちょっと先に延ばそう、あと2枚シングルを作ってからにしましょう、そのほうがもっと良いアルバムが作れるかもしれない、というバンドの制作スケジュールも変わっていったっていう。そういう意味でもdefspiralにとって大きな意味を持つ1曲だと思います。
M9「VERMILLION」
ーーこのテイストもアルバムならではなのか、と思うんですが。
RYO:これは完全に僕の趣味です。
ーーひと言で片づけないでください(笑)。
RYO:(笑)誰に理解されなくてもいいってくらいの気持ちで作ったっていう。
ーー確かに盛り上がりのない曲っていうか(笑)、淡々とそのまま終わるみたいな。
TAKA:その通り(笑)。
RYO:アルバムにこういう密室系の曲を入れたい、僕に1枠ください、とメンバーには前々から言っていて。全体のバランスを見て曲を作りたかったんです。インタビューの冒頭でも言いましたけど、アルバム全体の振り幅を広げたかったんですね。こんな曲もできて、こんな曲もあって、でもdefspiralだよねっていうのが理想だったので。
TAKA:これは俺だけかもしれないですけど、解りやすいことをどストレートにやる、メロディアスでノりやすくてポップで気持ちよいっていうのを敢えて狙ってやっていたところはあったんです、これまでのdefspiralでは。だけど、もっと深みのある表現というか、1人1人のパフォーマンスを出していきたい、という欲も本作には詰め込みたかったっていう。その部分で、RYOは振り切ってやってくれたと思うんですね、この曲で。
RYO:アルバムでこういう曲を作るのも個人的な1つの課題、目標でもあったし。なので、レコーディングのスケジュール、ギリギリまで時間をかけさせてもらって作りました。ドラムは打ち込みなので、MASAKIなんかマスタリングの時まで知らなかったんじゃないか?くらいの時期まで引っ張って(笑)。
MASAKI:マスタリングの時、初めて聴いたわ。
ーー(笑)。
MASAKI:だけど、ライヴはこうなるんだろうなっていう想像はついたんですね。逆に音源で叩いてない曲をライヴで叩いたらどうなるか? 生はカッコいいですねってところを見せられるっていう意味ではいいかな、と。
RYO:そう、それをやりたかったんです。
TAKA:そういう構想がRYOの中にはあったんでしょうけど、レコーディングも大詰めになってきた時点で“ちょっと待って、もうちょっと待って! 今、作っているから”と言うばかりで、どんな曲なのか?は謎のまま。
MASATO:“いつ出来るの?”って結構、訊いたんですけど、そのたびに“環境音楽みたいなヤツを作ってる”って言ってて。おいおい、マジかよ、みたいな(笑)。
TAKA:環境音楽って、ヒーリング? 風の音? 鳥の鳴き声?みたいな(笑)。
MASAKI:俺もその話しは聞いていた。“いつ出来るの?”って訊いたら“もうすぐ出来る。聴いてたら寝てしまうような曲が”って(笑)。
MASATO:なかなか形は見えなかったんですけど、絶対、RYOはキメてくれる!という期待感はあって。初めて聴いた時は、これはカッコいい、やっぱりキメてくれた!と思いましたね。実際にライヴでやっていても気持ちよいし。ああいう曲調なのに燃えるんですよ。
RYO:淡々とした曲で静かに終わっていくつもりではいたんですけど、ライヴでやってみると、案外、サビがグルーヴィーだったり、MASATOのギターが吠えていたりとかするしなぁ。
TAKA:スゴく熱のある曲ですよね。拳を上げるというような解りやすい盛り上がりではないんですけど、内側の温度は高いですよね。
RYO:作ってみたら案外、評判がよくて。インストアでファンの皆さんから“「VERMILLION」はヤバい(=カッコいい)”っていう声をいただくと、あぁ、僕の趣味に共感してくれる人がいるんだ、幸せだな、と。
TAKA:こういう世界が好きな人は多いと思うんですけど、表現するのはなかなか難しくて。このドロッとした感じ、この匂いはなかなか出せないと思うんです。
RYO:そんな曲をラストから2曲目に持ってくるバンドってどうっすか?っていう。
TAKA:って今、RYOはドヤ顔で言ってますけど(笑)。
ーー歌詞は、いろんな曲と繋がってるような内容ですよね?
TAKA:歌詞の世界観はリンクしてますね。アルバム全体が見えたのは最初に話した「VOYAGE」なんですけど、死生観みたいなものは先に出したシングルでも散りばめていたりしたので。結局、そこに向かって生きているんだなってことは、どの曲にもあると思います。
M10「REASON」
ーーこの曲、ある意味、懐かしさを憶えるというか。TRANSTIC NERVEの匂いもするような…。
RYO:僕は“姫路ソング”と呼んでいます(笑)。
ーー姫路ソング? 言わんとしてること、解らないでもないですが。
MASATO:俺も作りながらそう思いましたけどね(笑)。テンション・コードを使いつつ、A、B、Cと気持ちよくストレートに進む曲って意味では。
TAKA:乾いた感じっていうところでは、ハードロックかな、と捉えていますけど。ま、狙わなくても姫路が滲み出てしまうのかな(笑)。俺らの中では普通でも(笑)。
RYO:このメロディーのこの切なさが、なんか姫路やなって思うんですよ。
MASATO:ホントに考え込まず、自分が気持ちよいという展開でサクッと作った曲なんですけどね。とはいえ、実際はサビで転調したり、一筋縄ではいかない感じになってるんですけど。
RYO:そこも含めて姫路やねん(笑)。きっとMASATOは、最後の曲にしたろう、と思って持ってきたはずなんですよ。今回のアルバム、頭と最後は俺がいただく!という意気込みで(笑)。
MASATO:(笑)
TAKA:実際はどうなん?
MASATO:エンディング感はあるなって思ってはいたな。TAKA:そうなんや(笑)。俺が歌詞を書く時は、最後の曲とは思ってなくて。「REASON」というタイトルはデモから付いていたんですけど、そこから広げて歌詞を書いてレコーディングして、そうこうしてるうちに曲が出揃ってきて。曲順はどうする?って話をMASATOとしている中で“最後の曲は「REASON」がいいよね、歌詞の意味的にも”って言ってくれて、ちょっと嬉しかったですね。
ーーん? なぜ嬉しかったんですか?
TAKA:MASATOもちゃんと歌詞を読んでくれてるんやな、と思って(笑)。歌詞なんてまったく興味ないと思ってたから(笑)。
MASATO:ちゃんと読んでるって!(笑)
TAKA:でも今回、アルバムで1つの世界を作ろうという時に、物語を意識して一緒に制作できるというのは幸せなことだな、とあらためて思いました。
ーーこの歌詞で、いくつかいいな、と思ったところがあって。♪数え切れない出逢いそして別れ そのすべてが今をかたどる♪とか♪この瞳に映したい 景色があるからまた人は旅立つ♪とか。ちゃんと「VOYAGE」ともリンクしているし。
TAKA:答え合わせになってますね。まさにアルバムの最後を飾るにふさわしい曲になったと思います。
ーーあと、間奏で泣きのギター・ソロがうっすら遠くで聞こえるじゃないですか。あの感じも素敵。
TAKA:今までの風景を回想するような、そういうイメージかな?と俺は思ったんですけど。
MASATO:俺も回想シーンみたいなイメージがあって。本当はギター・ソロにはしたくなかったけど、何かないとちょっと寂しすぎるから、ちょっと入れてみようか、と思って弾いたんです。
MASAKI:ドラムのレコーディングする時にはギター・ソロは入ってなくて。“誰も何もしてないけど大丈夫? 何か入っていたほうがいいんじゃないの?”って話はしたんですよね。
MASATO:だけど、そこは大丈夫だからって言っていたんです、俺の中には、その段階で形にはしてなかったけど、構想はあったので。
RYO:ミックスの時にギター・ソロのヴォリュームを上げたりもしてみたんですけど、そこまで主張しなくてもいいよねって、結果、ああいう形になって大正解やな。
TAKA:ホントにあらためて通して聴いても、アルバムとしてまとまったな、という感じですね。
* *
ーーシングル3枚からのアルバム『Voyage』。この一連の精力的なリリースを終えた今、思うことはありますか?
RYO:よくやりきったと思いますね。それにまだまだやってないことはいっぱいあるんやな、とも気づけたし。
TAKA:ホンマやな。いっぱい曲を作りましたよね。
ーーまた、ライヴでの表現の方法が広がっていきそうですね。アルバムを引っさげてのツアーもありますし。
RYO:8月から全国を回ります。
TAKA:全国6箇所。しかもラストが目黒鹿鳴館という特別な場所で締め括ります。
RYO:久しぶりなんですよ。
ーーあ、そうなんですか?
TAKA:まだ俺らが地元にいてTARANSTIC NERVEをやってる時に(hideさんと)お会いする約束をしたのが目黒鹿鳴館のライヴだった、と。結局、その約束は叶わなかったんですけど…ま、そういう意味でも特別な場所なんですね。
RYO:それ以来、1回も出てないんです、鹿鳴館には。
ーー敢えて?
TAKA:敢えてやってなかったわけでもなく意識せずだったんですが、機会がなくて。むしろ、このタイミングでツアー・ファイナルを鹿鳴館でやることになったことに何か意味を感じていますね。
ーー奇しくもhideさんの生誕50周年、ソロ・デビュー20周年イヤーとして、いろんな動きがありますしね。
TAKA:ですね。hideさんに声をかけていただいたことは、東京へ出て本格的に音楽を始めることができた大きなきっかけではあるんですが、活動をしてきた10数年間、ずっと何か関わりがあったというわけではないですし。ただ、この数年間、ロックミュージカル『ピンク スパイダー』に出させていただいたりとか、またhideさんに関わる機会が増えてきたりしてるのもあって。7月3日発売のhideさんのトリビュート・アルバム『hide TRIBUTE II -Visual SPIRITS-』に参加させていただいたりとか。その流れもあって、このタイミングで鹿鳴館のツアー・ファイナルってことなので、何か意味があるんじゃないか?と思うんです。
RYO:個人的にもスゴい楽しみなんですよね。地元にいる頃、東京では毎月、鹿鳴館のイベントに出ていたと思うんですけど、そういえばワンマンはやったこともないし。
MASATO:hideさんが見に来られるって約束してた日のライヴの景色、今でも鮮明に覚えていて。2階席にhideさんの事務所の方がズラリと並んでいたこととか、ビデオ・カメラの赤いランプが付いていたとか。目黒鹿鳴館の記憶は、そこで止まってるんですよね…。きっと、その時のことを思い出しながらやるライヴになるんやろうな、って思います。
MASAKI:俺はスッゴい緊張してたんで、あの時は全然、前が見えてなかった(笑)。打ち込みものも、まだMDで出してましたから。
ーーそんな時代でしたよねぇ。
MASAKI:ええ。個人的には、何かいい感じになりそうやなっていう期待はあります。
ーーきっと、鹿鳴館のライヴをやってみたら、何か解るかもしれないですね。で先程、話に出た『hide TRIBUTE II -Visual SPIRITS-』には「everfree」で参加されているという。これは14年前の『hide TRIBUTE SPIRITS』にTRANSTIC NERVEで参加された時と同じ曲ですが。
RYO:そんな気合いを入れて、もう1回、「everfree」をやってやるぜ!みたいなのでもないんですけど、もう1回やってみたいねって。
ーーまあ、皆さんはロックミュージカル『ピンク スパイダー』でhideさんの曲を一通り、何十回も演奏されてきてますもんね。
RYO:本家のhide with Spread Beaverよりもステージで演奏してる回数は多いんですよ。そこはI.N.A.さん公認なんですけど。ま、そんなI.N.A.さんに今回の音源が出来てすぐ送ったら“本当にhideさんの音楽を知り尽くした上でのアレンジだね”ってお褒めの言葉をいただいて…もうこれ以上の喜びはないですね。あちこちにトラップを仕掛けてるんですけど、その部分にI.N.A.さんは大爆笑してくれたのも嬉しかったですし。
TAKA:当時の「everfree」をあらためて聴くと、自分たちの熱意というか、がむしゃらな感じが伝わってきて、それはそれでカッコいいんですよ。そこから年月を経て、hideさんへの思いも変わってきましたし、俺らも紆余曲折ありながらもずっと音楽を続けてきましたし。そこで今、「everfree」をやるとどうなるか?ってところですね。
RYO:実は敢えて同じことをやってみたりもしてるんです。
ーー?
RYO:当時のシンセを引っ張り出してきて、同じ音源でSEの部分を作ったり。
TAKA:そういうとこ、ロマンチストやな、RYOさんは。
RYO:いやいや(笑)。基本的なアレンジに関してはそこまで劇的に変えるということは敢えてせず、素直にやってみましょうっていう感じです。素直に今、やったらdefspiralになるんじゃない?っていう変な自信もあったんですよ。説得力は当時よりはるかにあると思ってるんで。あとは遊び心をちょいちょい入れていきましょうよって感じですね。ギター・ソロでMASATOが遊んできたから、じゃ、俺も何かやらなければ…ってベースを入れたりして。
MASATO:何も言わずにそこを敢えてギターを入れて送ったら、予想通りのベースが入ってきたっていう(笑)
RYO:それが何なのか?はぜひ、聴いていただければ。
MASAKI:きっとhideさんの音楽が大好きな人なら、解ると思うんですよ。
RYO:このトリビュート・アルバムを全曲聴いてるんですが、これは是非とも1曲ずつちゃんと聴いていただきたいですね。ホント、どのアーティストの演奏も、hideさんへの愛が満ち溢れているので。■
【Interview:Kimico Masubuchi】
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